高田裕三のカラーあとがきとは?『3×3EYES』完結時に伝えたこと

高田裕三の3×3EYES 幻獣の森の遭難者第1巻の表紙 漫画家・作者
『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』第1巻・高田裕三/講談社。出典

『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』のWEB連載には、各回の最後に、高田裕三が描き下ろすフルカラーのあとがきがありました。
そこでは作者が読者に向けて話し、最終回には、支えてくれた人への感謝と次の作品の準備を伝えています。
八雲たちの冒険を読んだあとに、今度はその物語を描いた人の言葉に触れられるページでした。

毎回の終わりに、作者が描くカラーの一ページ

『幻獣の森の遭難者』は、長編『3×3EYES』の完結後に始まった続編です。
高田さんにとって初めてのWEB連載でもあり、紙の雑誌で描いてきた時とは原稿の大きさや話の区切り方を変えていました。

2015年の対談で3×3EYESの書影を見る高田裕三
2015年の対談で書影を見る高田裕三。撮影:三木美波。 出典

2015年の高田裕三と和夏弘雨の対談に添えられた作品紹介で、担当編集者は、毎回の最後のページに描き下ろしのフルカラーあとがきを掲載していると説明しています。
物語の更新と一緒に、作者からの言葉も読める形だったのです。
WEB連載で変えた原稿と話のテンポに加えて、各回のあとがきも用意されていました。

最終回で名前を挙げた、作品を支えた人たち

2016年に『幻獣の森の遭難者』が終わった時のあとがきでは、明るい色のイラストの下に、高田さんの手書きの言葉が並びます。
まず伝えたのは、毎週読んでくれた人へのお礼と、この回で作品が終了するという報告でした。

幻獣の森の遭難者の最終回で、感謝と次の制作を伝える高田裕三のカラーあとがき
『3×3EYES 幻獣の森の遭難者』最終回のあとがき・高田裕三/講談社。2016年。 出典

感謝の相手として挙がるのは、読者や編集関係者だけではありません。
林原めぐみ、キングレコード、書店やショップなどの名前も書かれています。
林原さんは、OVA『3×3EYES』でパイを演じた声優です。
高田さんと林原さんの仕事の縁も、この最終回の感謝の言葉につながっています。

一つの漫画の最終回で、高田さんは作品に関わってきた人たちへお礼を述べていました。
物語の結末のすぐ後に、作者にとっての連載の終わりも読めるのです。

「終わる」と告げた同じページで、次の準備を知らせた

最終回のあとがきは、終了の報告だけでは終わりません。
高田さんは、番外編と新シリーズを制作中だとも書いていました。
『幻獣の森の遭難者』が終わる時点で、次の話の準備は進んでいたのです。

あとがきとは別に、完結に寄せた高田さんのコメントでは、決められたページ数を超え、最後まで話がまとまるか不安だったとも語っています。
描き切ったのは八雲の帰還であり、次には八雲の苦難を描こうとしていました。
この時の次シリーズは、後に『3×3EYES 鬼籍の闇の契約者』として刊行されます。

ピンクの題字を重ねた鬼籍の闇の契約者第1巻の表紙
『3×3EYES 鬼籍の闇の契約者』第1巻・高田裕三/講談社。 出典

最終回を読み終えた読者は、あとがきで次の作品の知らせも受け取れました。
物語の終わりに別れの言葉だけを添えるのではなく、次に描くものまで一緒に届けていたのです。

ほかの作品でも読める、高田さんの近況

高田さんのあとがきは、その後の作品でも公開されています。
シリウス編集部が2026年9月に掲載した『無号のシュネルギア』のあとがきには、豪雨被害へのお見舞いと、海外の災害映像を見た感想が書かれています。

無号のシュネルギア第69話に添えられた高田裕三のカラーあとがき
『無号のシュネルギア』第69話のあとがき・高田裕三/講談社。シリウス編集部が2026年9月に公開。 出典

作品の次回予告に加え、その時に作者が気にかけていた出来事まで読めます。
『3×3EYES』の完結時の報告とは違う、近況を伝えるあとがきです。

まとめ

『幻獣の森の遭難者』の最終回に並ぶ感謝の相手を読むと、八雲たちの冒険が、描く人だけでなく、声を演じる人や本を届ける人にも支えられていたことが伝わります。
そして同じページから、高田さんの次の仕事にも目を向けられます。
あとがきには、物語の外で続く仕事や人とのつながりを、作者の言葉でたどる面白さがあります。

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