2020年公開の『カイジ ファイナルゲーム』では、原作者の福本伸行さんが、徳永友一さんと脚本を担当しました。
漫画なら、人物の表情や演技まで自分で描ける。
映画では、脚本に書いた話を、監督や俳優が映像にしていきます。
福本さんが語った制作経験をたどると、話を作る仕事と、その話を見せる仕事の違いが分かります。

福本伸行と徳永友一が、脚本をやり取りした
『カイジ ファイナルゲーム』は、福本さんが映画のために作った、オリジナルの物語です。
2020年の本人インタビューで、福本さんは、基本のアイデア、台詞、ストーリーの組み立てを、自分が主に担当したと説明しています。
福本さんは、書いた文章を徳永さんへ送り、返ってきたものに手を入れ、打ち合わせをする。
そのやり取りを、8回ほど重ねたと振り返りました。
漫画とは違い、俳優が演じ、場面も切り替わるため、細かな点を変更する作業があったのです。
映画には、上映時間に収める制約もあります。
福本さんは、初めは長さを気にせず内容を出し、その後、削って整えていく作り方だったと話しています。
漫画は演技まで描けるが、脚本は設計図になる
『週刊プレイボーイ』の2020年の取材で、福本さんは、脚本を設計図と呼んでいます。
勝負のトリックと人間関係は書いたものの、舞台となる日本や、ギャンブルをする場所の細部まで決めたわけではありませんでした。
そうした世界を作るのは監督であり、演技の微妙なニュアンスも、俳優や監督へ任せることになると説明しています。

漫画では、福本さんは監督であり、俳優でもある。
人物がどんな顔をして、どう振る舞うのかも、自分の絵で表せます。
映画では、同じ人物の台詞に、俳優の声や動きが加わります。
福本さんが脚本で用意した駆け引きも、別の人たちの表現を通して見えるものになるのです。
映画には、分かりやすさと動きも欲しかった
福本さんは、公開時の別のインタビューで、四つのゲームを選んだ考えも話しています。
中心にしたのは、金を集める力が勝負になる「最後の審判〜人間秤〜」でした。
そして「ゴールドジャンケン」は、物語の始まりと終わりを結ぶために重要だったといいます。

残る「バベルの塔」と「ドリームジャンプ」については、別のゲームでもよかったと話しました。
映画として動きも欲しく、単純なゲームも欲しい。
福本さんは、いくつかの条件を合わせて選んだと話しています。
四つの勝負を置く仕事には、ゲームの面白さに加えて、映画としてどう見えるかという判断もありました。
カイジを演じる俳優の力も、作品になる
同じ取材で、福本さんは、映画のカイジには、日常の演技とは違う、爆発力のある表現が必要だと語っています。
福本さんが求めたのは、普通の会話の調子より、強く感情を表に出す演技でした。

福本さんは、俳優たちの演技を高く評価し、監督やスタッフも、カイジの世界を支えてくれたと話しました。
完成した映画には、過去二作と同じ空気や熱があり、カイジが戻ってきたと感じたとも語っています。
まとめ
福本さんは、台詞と勝負を作り、完成した映画では俳優たちの表現を高く評価しました。
自分が考えた人物を、自分の絵とは別の表現で見る。
福本さんの回想からは、カイジを作る原作者自身が、俳優の演技でその物語を楽しむ姿も伝わります。


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