『レベルE』には、全3巻のジャンプコミックスと、上下2巻の集英社文庫があります。
同じ作品を異なる巻数とサイズでまとめたもので、文庫版にはカラーの口絵や、冨樫義博さんによる上巻のあとがきもあります。
どちらの版でも本編をそろえられます。
絵や文字を大きく読みたいか、作者が作品を振り返る言葉も読みたいかが、版を選ぶ目安になります。
通常版は全3巻、文庫版は上下2巻
ジャンプコミックスは1996〜1997年に刊行された新書判です。
文庫版は2010年に刊行され、ひと回り小さな本にまとめられています。
紙版の集英社書誌で比べると、巻数とページ数は次のようになります。
「通常版の1巻」と「文庫版の上巻」は、同じところで終わる本ではありません。
文庫版の目次では、上巻に第1〜8話、下巻に第9〜16話が収められています。
巻数をそのまま対応させず、話数で探すと読みたい場面を見つけやすくなります。
文庫上巻は、雪隆と王子の出会いから、カラーレンジャーのゲームの途中までです。
下巻は、そのゲームの続きを描く第9話から始まります。
文庫の上下巻は、別々の物語が一冊ずつ完結する区切りではありません。
文庫版の表紙は、2冊を並べると王子の顔になる
通常版は、黒や白を背景に、人物を大きく描いた表紙です。
文庫版は、王子の顔を上下巻に分け、その周りへ雪隆や異星人、小学生たちを配しています。
上巻を左、下巻を右に置くと、中央に王子の顔がつながります。
上巻には雪隆やカラーレンジャーの小学生たち、下巻にはクラフトや異星人の姿が見えます。
章ごとに騒動を体験する人物が変わる作品の登場人物を、王子の周りに集めた表紙です。
文庫版の冒頭には、カラーの扉と目次があります。
物語だけでなく、カラーで描かれた人物や異星人の姿を楽しめるところも、この版の見どころです。
上巻のあとがきでは、冨樫義博が連載当時を振り返る
文庫版の上巻には、冨樫さん自身のあとがきが収録されています。
冨樫さんは、『レベルE』は他の作品に比べ、読み返したときの居心地が悪くないと述べています。
比較的好きに描けたことを、その理由に挙げています。
冨樫さんは、作品と当時の自分の生活が重なっていて、読み返すと昔の日記を見るような気持ちになるとも書いています。
描いていた頃から時間がたった作者が、自分の漫画へ戻ったときの感覚を読める文章です。
好きに描けたという説明にも「比較的」という言葉を添えており、単に自由で楽しかったと言い切ってはいません。
『レベルE』を読んだ後にあとがきへ進むと、1990年代に描いた作品を、後年の冨樫さんがどう見ていたかまで知ることができます。
作品を気に入って、作者についても知りたくなった人には、この上巻の文章が文庫版を選ぶ理由になります。
大きさで選ぶか、カラーとあとがきで選ぶか
王子の日記など、文字が細かく詰まったページもある作品です。
日記が事件の見え方を変える場面は、文字を追うこと自体が物語を読む楽しさにつながっています。
紙の本で絵や文字を大きく見たい場合には、新書判のジャンプコミックスが向いています。
カラーの口絵や作者のあとがきにも関心がある場合には、文庫版が候補になります。
2冊でそろいますが、一冊あたりのページ数は通常版より多くなっています。
本棚の冊数と、開いたときの大きさを分けて考えると、選びやすくなります。
まとめ
本編を読むためなら、どちらの版でも『レベルE』をそろえられます。
通常版をすでに持っている人にも、文庫版にはカラーや作者のあとがきを読む楽しみがあります。
王子たちの騒動を読んだ後で、今度は冨樫さんが作品へ戻ったときの気持ちを読む。
文庫上巻のあとがきは、物語を楽しんだ読者が、描いた人にも関心を広げるきっかけになります。





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