『幻魔大戦Rebirth』では、七月鏡一さんが書いたシナリオを早瀬マサトさんがネームにし、その段階で二人が一緒に確認していました。
早瀬さんの希望で設けた工程で、台詞や場面の見せ方について直接相談しています。
七月さんは、自分の文章を漫画家がどう受け取り、絵に変えるかを共同制作の楽しさとして語っています。
早瀬マサトの希望で、ネームを一緒に確認した
七月さんは『ジーザス』などの原作を手がけた作家で、『幻魔大戦Rebirth』では脚本を担当しました。
漫画を担当したのは、石ノ森章太郎さんの作画アシスタントとして石森プロに入った早瀬さんです。

石森プロに掲載された二人の対談で、早瀬さんは、ネームを描いた段階で七月さんにも同席してもらい、確認する工程を取ったと説明しています。
早瀬さんは、『サイボーグ009完結編』でも取っていた確認の工程を、この作品でも設けたいと申し出ました。
早瀬さんが気にしていたのは、文章だけでは細かなニュアンスが伝わりにくいことでした。
平井和正さんの『幻魔大戦』についても、七月さんほど深く把握しているわけではないため、意思の疎通をしっかり取りたかったと語っています。
七月さんも、当時のTwitterのダイレクトメッセージで、台詞や場面について連絡を取り合っていたと振り返りました。
一コマや台詞も、ネームの段階で変わる
早瀬さんは、七月さんのイメージを描こうとする中で、より分かりやすい形へ置き換えることもあったと説明しています。
特に超能力のように、言葉だけでは形を捉えにくいものを描く難しさを語りました。
七月さんは、その表現にネームの段階で驚くことがあったと話しています。
元のシナリオに一コマや台詞が加わることもあったと、七月さんは振り返っています。
二人は、人物の登場時期を変える相談もしていました。
生物宇宙船は、想像以上に緻密な姿になった
文章から絵になることで、七月さんの想像を超えたものも生まれています。
同作に登場する生物宇宙船の奉翔族について、対談ではセミ型という脚本の説明が出てきます。
七月さんは、上がってきたデザインが思った以上に緻密で驚いたと語りました。
早瀬さんによると、そのセミのデザインは志条ユキマサさんに依頼したものです。

早瀬さんは、メカや戦艦のデザインを主にアシスタントへ依頼していたとも説明しています。
陸上戦艦について七月さんは、生賴範義さんが『真幻魔大戦』の挿絵に描いたものをもとに、早瀬さんが石ノ森作品に合う新たなデザインを作ったと説明しています。

大きな場面ほど、描く側には苦労もあった
早瀬さんは、シナリオにエスパー集団が300人と書かれている例を挙げ、描く側の大変さも笑い交じりに語っています。
早瀬さんは、一人で描く場合は描きやすいものへ寄りがちだが、七月さんの話はそれとは違う方向へ広がったと振り返っています。

早瀬さんは、活劇や大きな見せ場では大ゴマも使いたくなり、ページに入りきるかという不安があったと語りました。
終盤でも話を広げたい七月さんに対し、早瀬さんは残りのページに収まるかを心配していました。
最終回では、小学館が10ページの増量を認め、七月さんも余韻のある終わり方ができたと振り返っています。

まとめ
七月さんが共同制作の楽しさとして語ったのは、相手と意見を出し合い、最初は思ってもみなかったものが生まれることでした。
シナリオに書くことと、漫画の中で見せることの間には、表現を選び直す仕事がありました。
二人のやり取りを知ると、完成した一場面にも、文章を受け取った人の発想と、それに応じた原作者の相談が重なっていることが伝わってきます。

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