『アウターゾーン』は、最初から長く続ける予定の連載ではありませんでした。
光原伸さんは10回で終えるつもりで最終回まで用意していましたが、連載中の人気を受け、その話を描き直しています。
第10話で第一部を閉じた後、半年の間を置いて第二部へ進み、シリーズは全116話になりました。
この経緯を本人が詳しく語ったのが、2026年3月公開の集英社のインタビューです。
連載をつかむきっかけは、得意な一話完結の新作を毎週届けるという光原さん自身の提案でした。
『マジック・セラー』から一話完結の連載へ
1987年にデビューした光原さんは、しばらく読切を発表していました。
転機になった作品が、1989年の『マジック・セラー ~ラスト・コール~』です。
過去と通話できる電話を扱った物語で、後の『アウターゾーン』につながる作品でした。

担当の茨木さんに勧められて上京したものの、連載案はなかなか通りません。
光原さんによれば、日本を舞台に少年を主人公にした案を作りながら、本当に描きたかった外国の舞台や女性主人公から離れていたといいます。
そこで光原さんは、一話完結の読切を連載する形を持ちかけました。
この提案が受け入れられ、『マジック・セラー』をもとに新しい連載を組み立てていきます。
最初にできた話は『ママと悪魔』ではなかった
最初に作ったのは、掲載順では第2話になる『幸運の首』でした。
次の『ママと悪魔』を見た茨木さんが、こちらを第1話にする案を出し、光原さんが調整しています。
さらに3本を加え、計5本のネームが連載会議へ送られました。

会議で求められたのは、もう5本を足して10本をそろえることでした。
光原さんは当時、新人の作品を10回で紹介するような連載だと受け止め、終わりの話も準備していたそうです。
こうして1991年、『週刊少年ジャンプ』で『アウターゾーン』が始まります。

一度は打ち切りが決まり、第10話を描き直した
光原さんの回想では、第1話はアンケートで2位でした。
ただ、そのまま継続が決まったわけではありません。
第4話の順位が落ちた頃に連載会議があり、一度は打ち切りを伝えられています。
その後、第5話以降の人気が上がり、連載は続くことになりました。
光原さんが知らせを受けたのは、たしか第7話か第8話を描いている頃だったといいます。
そこで用意していた最終回を描き直し、第10話『デス・ファイヤー』を第一部の区切りにしました。

当時の最終ページには、第二部での再会を告げる言葉が載っています。
第一部が終わる前に継続が決まり、第二部を予告して区切りを迎えたのです。
第二部でも、毎週新しい物語を作り続けた
第二部に備えた約5本のストックは、連載が再開するとすぐに尽きました。
光原さんは、それぞれの回に新しい人物や設定を用意し、約20ページで話をまとめていきます。
一話完結は、読切で評価された光原さんが連載を始めるための方法であり、連載が続くほど新しい話を作り続ける仕事にもなりました。
案内役のミザリィを残して、読者を毎回違う物語へ迎える形式は、全116話まで続きます。
集英社の完結巻の目次では、最後に第116話『メッセージ』が並んでいます。
まとめ
光原さんは、読切で評価された持ち味を、一話完結の連載へ生かしました。
その形式が人気を得たことで、最終回まで決めていた10回の企画が、毎回新しい物語を生む長い連載へ変わったのです。


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