王子は小学生5人をさらい、「地球を守る戦士」に選ばれたと告げる。
だが、子どもたちは宇宙船の中で縛られている。
正義の味方になるかどうかを、本人たちに選ばせる気は最初からない。
王子が欲しかったのは地球を守る仲間ではなく、勝手に与えた役に子どもたちがどう反応するかを眺める相手だった。

「選ばれた」側には、別の予定がある
王子は異星人から地球を守るため、5人が必要だと説く。
子どもたちはデートや空手の稽古、塾など、それぞれの予定を口にする。
地球の平和を持ち出された赤川は一度引き下がるが、そのやり取りで5人が望んで戦士になったわけではない。
王子の話では「選ばれた」という栄誉になる出来事が、5人には誘拐と、日常への割り込みになっている。
しかも、渡された変身用リングは簡単には外せない。
清水たちは敵を倒すためというより、まず元の生活へ戻るために動く。
彼らにとって最初の問題は地球の危機ではなく、王子から押しつけられた役をどう終わらせるかだ。
王子の遊びには、大人も巻き込まれる
担任の立花先生は、リングを調べ、5人から王子にもらったと聞く。
先生は、王子が自分の正体を知り、教え子たちと戦わせようとしたのではないかと考える。
これは立花先生の推測だが、少なくとも先生から見ても、子どもたちへの装備は親切な贈り物ではない。
5人はその後、リングを外す鍵を求めてクラフトのもとへ向かう。
王子が用意した仕掛けは、先生やクラフトまで巻き込んでいく。
「地球を守る」という大きな言葉の下で動かされているのは、王子が選んだ相手ばかりだ。
王子が後に明かす、ゲームの目的
王子はさらに5人を惑星カルバリのゲームへ巻き込む。
そこで魔王は争いを避け、自分の意思で新たな目的を選ぶ。
王子はその平和的な決着に不満を示す。
王子がゲームで見たかったのは、5人が安全なまま、本気で苦しみもがく姿だったからだ。

王子は、最初は普通の冒険として5人を引き込み、夢中になったところへ罠を置くつもりだったと説明する。
人を疑うようになる町や、欲望を刺激する道具まで用意していた。
王子にとって、魔王との平和的な決着はゲームの終点ではない。
5人が自分の筋書きの中でもがくことが楽しみなのだ。

最後に選ぶのは子どもたちだ
5人に渡されたリングは、立花先生やクラフトまで巻き込んだ。
リングを外した後には、5人を苦しませるためのゲームが待っていた。
王子の遊びは形を変えても、5人の意思を聞かずに役を与え、困る姿を見ようとする点では変わらない。
5人は王子が決めた「正義の戦士」だったが、最後まで王子の望む展開に従うわけではない。
魔王の話を聞いた5人は、魔王を倒してゲームを終わらせる道を選ばない。
王子が子どもたちへ与えたのは力と役名だった。
その力を何のために使うかまで、王子が決められたわけではなかった。


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