『水中騎士』はどんな作品?『銃夢』の木城ゆきとが描く海洋冒険

水中騎士第1巻の書影。ルリハー、アシカ、シャチなどを描いた円形のイラスト 木城ゆきと
木城ゆきと『水中騎士』第1巻/講談社電子版、書影はebookjapan掲載。

『銃夢』の木城ゆきとさんは、シャチに乗る騎士が海を渡る『水中騎士』も描いています。
英語表記は『AQUA KNIGHT』。
サイボーグの少女ガリィが戦うSFとは舞台を変え、騎士と少年の出会いから始まる海洋冒険ファンタジーです。
現在、講談社の電子版は第1〜3巻が刊行されています。

水中騎士第1巻の書影。ルリハー、アシカ、シャチなどを描いた円形のイラスト
木城ゆきと『水中騎士』第1巻/講談社電子版。 出典

シャチと水甲冑で海を渡る騎士

舞台のマルムンドは、「世界の果て」が存在する海の世界です。
騎士は馬ではなくシャチにまたがり、水甲冑を着て海原を進みます。
出版社の試し読みでも、海図に続くカラーの海と、水甲冑の騎士が登場します。

水甲冑には、鎧の中で動き、呼吸するための仕組みがあります。
作者の設定資料では、魔法駆輪によって動力と新鮮な空気を送り込む装甲潜水服とされています。

女性騎士ルリハーと、灯台の島の少年アシカ

物語の始まりで、女性騎士ルリハーは嵐に遭い、西の孤島で少年に助けられます。
ルリハーは騎士学校を卒業したばかりで、海を渡りながら武者修行を続ける人物です。

作者の公式人物紹介に掲載されたルリハーの顔
ルリハー/木城ゆきと公式サイトの人物紹介。 出典

ルリハーを助けたアシカは、父アラビルと灯台の島で暮らす少年です。
アシカは騎士に憧れ、ルリハーと主従の誓いを結びます。
二人の出会いには、島で育った少年が、海を渡る騎士とつながる面白さがあります。

作者の公式人物紹介に掲載された少年アシカの顔
アシカ/木城ゆきと公式サイトの人物紹介。 出典

アシカたちが暮らす灯台には、光源となる「光玉」があります。
その光玉を求めて、異国の貴族アルカンタラが島へ近づいてきます。
まずはこの出会いと光玉をめぐる動きが、物語への入口になります。

浅い海と深い海で、騎士と帆船の立場が変わる

マルムンドの海には、広い浅瀬と、底が知れない海溝があります。
この地形は、誰が海を渡りやすいかにも関わります。

浅瀬では帆船が座礁する危険があり、水中騎士にとっては活動しやすい海域です。
一方、海溝は水甲冑の耐えられる深さを超えるため、騎士には危険な場所になります。
帆船にとっては、その海溝が水路になります。

騎士にとって活動しやすい海が、帆船には危険な場所になり、その逆もあります。
マルムンドでは、海の深さによって、どちらの移動手段が向いているかが変わるのです。

第1巻から読む。『Last Order』開始と連載の区切り

初めて読むなら、ルリハーとアシカが出会う第1巻から順に進めます。
講談社の第1巻紹介から、電子版の購入先と試し読みを確認できます。

木城さんは2000年の『銃夢 Last Order』開始の告知で、『水中騎士』を3巻分でいったん終えると説明しました。
当時は『水中騎士』と『Last Order』の二本を同時に月刊連載することが難しく、後者を始めるための区切りでした。

『銃夢』側の作品のつながりは、シリーズの読む順番で整理しています。

帽子と眼鏡を身につけた木城ゆきとさん
木城ゆきとさん/2019年のGIGAZINE本人インタビュー。 出典

まとめ

『銃夢』の次に木城作品を読むなら、SFシリーズの続きを選ぶほかに、別のジャンルへ向かう選び方もあります。
『水中騎士』は、騎士に憧れる少年と、海を渡る女性騎士から始まる冒険です。
二人の出会いだけでなく、二人が旅する海そのものにも仕組みがある。
海洋冒険ファンタジーを読みたい人が、木城さんの作品へ入る入口にもなります。

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