和月伸宏さんの『るろうに剣心』以外の主な連載は、『GUN BLAZE WEST』『武装錬金』『エンバーミング』です。
西部劇、現代の錬金術バトル、19世紀末の欧州を舞台にした怪奇譚と、作品の世界はそれぞれ違います。
三作をたどると、和月さんが自分の思う少年漫画を描こうとし、さらに別の物語にも挑んできたことが分かります。
『GUN BLAZE WEST』――剣客の次は西部劇
『週刊少年ジャンプ』での『るろうに剣心』本編を終えた後、和月さんは19世紀アメリカを舞台にした『GUN BLAZE WEST』を描きました。
集英社の第1巻紹介では、西部とガンマンに憧れる少年ビューが、西から来たマーカスとの出会いをきっかけに旅へ向かいます。
単行本は全3巻です。
2016年の取材で和月さんは、『るろうに剣心』は自分の考える少年漫画らしい作品ではなく、次はそれに挑戦したかったと話しています。
一方、『GUN BLAZE WEST』を完結後にどう評価すればよいか分からなかったとも、別の取材で振り返りました。
後に、その経験を『武装錬金』へ生かせたと語っています。
『武装錬金』――少年と少女が出会う、現代の戦い
次の連載『武装錬金』では、舞台が現代に移ります。
第1巻は、怪物に殺された高校生・武藤カズキが、津村斗貴子から「核鉄」を与えられて生き返るところから始まります。
カズキは新しい命とともに、怪物と戦う力を得ます。
全10巻の作品です。

和月さんは本人への取材で、この作品に自分が思う少年漫画を詰め込んだと語りました。
少年と少女が出会う物語として描き始めたことも説明しています。
『るろうに剣心』の時代劇や『GUN BLAZE WEST』の西部劇を経て、身近な現代を舞台に選んだ一作です。
『エンバーミング』――暗い物語へ踏み込んだ月刊連載
『武装錬金』の後、和月さんは『ジャンプSQ.』で『エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN―』を連載しました。
舞台は19世紀末の欧州。
集英社の第1巻紹介では、両親を殺された青年ヒューリーが、つぎはぎの体を持つ相手を追い、復讐を決意します。
こちらも全10巻です。

和月さんは2016年の取材で、フランケンシュタインを以前から描きたかったと話しています。
暗い作品を目指して描き始めたものの、実際に長く描くうちに、自分にはそうした物語を発信し続けるのが難しいと気づいたとも振り返りました。
2016年の時点で、作品そのものをどう評価するかは、まだ決めていないとも話しました。
『るろうに剣心』の関連作もある
別ジャンルの三作に加え、和月さんは「キネマ版」を収録した『るろうに剣心―特筆版―』や『北海道編』など、剣心たちを描く作品も発表しています。
集英社の作品一覧では、それぞれ別の作品として紹介されています。
『るろ剣』以外の和月作品を読みたいなら、西部劇の『GUN BLAZE WEST』、現代が舞台の『武装錬金』、欧州を舞台にした『エンバーミング』から、興味のある世界を選べます。
まとめ
『GUN BLAZE WEST』と『武装錬金』では、和月さんは自分の思う少年漫画に挑みました。
『エンバーミング』では、以前から関心のあった暗い物語を長く描いています。
和月さんは2016年の取材で、自分には暗い作品を好む面がある一方、少年漫画の明るい結末にも憧れていると語りました。
三作の違いを知ると、同じ作者が異なる舞台で何を描こうとしてきたかも見えてきます。


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