和月伸宏は『GUN BLAZE WEST』をどう振り返る? 全3巻の次に残ったもの

和月伸宏「GUN BLAZE WEST」第1巻の表紙 和月伸宏
『GUN BLAZE WEST』第1巻(和月伸宏/集英社)

和月伸宏さんは『GUN BLAZE WEST』を、完結した直後には自分でも評価しにくい作品だったと振り返っています。
しかし後年、その経験を次の『武装錬金』に生かせたと語りました。
『るろうに剣心』の後、和月さんが自分の考える「少年漫画」に挑んだ作品は、短い連載で終わってからも、本人の中で意味が変わっていったのです。

『るろ剣』の次は、自分が憧れる少年漫画を描きたかった

『るろうに剣心』は大きな人気を得ましたが、和月さんは2016年の本人取材で、自分の考える王道の少年漫画とは少し違ったと話しています。
和月さんが次に挑んだのは、もっと正面から少年の夢や冒険を描くことでした。

『GUN BLAZE WEST』第1巻の紹介には、19世紀アメリカで、西部とガンマンに憧れる少年ビューが登場します。
ビューは西部から来たマーカスと出会い、旅へ向かいます。
剣心のように過去を背負った大人ではなく、憧れを追う少年を主人公にした点からも、次作で目指した方向が見えます。

『GUN BLAZE WEST』第2巻の表紙。主要人物三人が並ぶ
集英社『GUN BLAZE WEST』第2巻の書影。

連載が終わった時には、評価を決められなかった

この冒険は単行本第3巻で完結しました。
最終巻の収録一覧では、第28話が最終話です。
『るろうに剣心』に続く連載としては短い作品になりました。

和月さんは別の2016年の取材で、『GUN BLAZE WEST』の完結後、自分の中で評価をつけにくかったと話しています。
本人が述べたのは、終わった直後には、この挑戦をどう受け止めるか定まっていなかったということです。

『GUN BLAZE WEST』最終第3巻の表紙
集英社『GUN BLAZE WEST』第3巻の書影。

次の『武装錬金』を描いて、見方が変わった

和月さんは同じ取材で、作品の評価には、その経験を次の作品にどう生かせるかも関わると説明しました。
その例として挙げたのが『GUN BLAZE WEST』です。
完結時には評価を決められなかったものの、後に経験を「昇華」でき、次の『武装錬金』につながったと話しています。

『武装錬金』でも、和月さんは自分の思う少年漫画を描こうとしました。
ただし、今度は集英社の第1巻紹介にあるように、現代の高校生カズキと斗貴子の出会いから始まる戦いです。
和月さん自身も、少年と少女が出会う物語を意識したと本人取材で説明しています。
『GUN BLAZE WEST』で試した「自分の少年漫画を描く」という課題が、別の舞台と人物で続いたことが見えてきます。

『武装錬金』第1巻の表紙
集英社『武装錬金』第1巻の書影。

人気だけでも、作者の手応えだけでも決めない

和月さんは2016年の取材で、読者の評価と自分の評価は同じとは限らないとも話しています。
読者の人気だけで作品の良し悪しを決めず、自分の手応えも合わせて考えるということです。
『GUN BLAZE WEST』について和月さんが語ったのも、連載の長短だけではなく、次の仕事へ何を持っていけたかでした。

まとめ

『GUN BLAZE WEST』は、和月さんが『るろうに剣心』の次に、自分の憧れる少年漫画を試した作品です。
全3巻で終わった当時は本人にも評価が難しかったものの、後に『武装錬金』へ経験を生かせたと語りました。
和月さんの振り返りでは、一つの連載の評価は最終話で終わりません。
次に何を描けたかまで見て、初めてその仕事の意味が定まっていくのです。

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