沙村広明さんが『波よ聞いてくれ』で描こうとした強い女性は、勢いよく喋る鼓田ミナレだけではありません。
本人は、南波瑞穂についても、かわいらしい見た目に反して精神的に自立した女性を描きたかったと話しています。
2020年の本人インタビューを読むと、二人の人物像をどのように考えていたのかが分かります。

瑞穂は、沙村広明には珍しい素直なヒロインだった
お気に入りの人物を尋ねられた沙村さんは、瑞穂を頑張って描いた人物として挙げました。
それまでの作品には、ミナレや城華マキエのような、関わると面倒な女性が多かったと振り返っています。
素直で分かりやすいヒロインを描くのは初めてかもしれない、という本人の回想でした。

沙村さんが瑞穂に持たせたのは、素直さだけではありません。
甘やかされたり、半人前として扱われたりすると反発し、仕事への意識も高い女性だと説明しています。
沙村さんは、瑞穂の素直さと、半人前扱いへの反発を一緒に説明していました。
ミナレの迫力と、瑞穂の自立
同じ取材で、沙村さんはミナレを身体の面でも精神の面でも強い人物とし、瑞穂には精神的な自立があると語りました。
ミナレについては、作品の構想を語った取材で、以前なら脇役に置いたような、よく喋る女性を主人公にしたと説明しています。
ひたすら力強く、目立つ人物にしたかったそうです。
その企画の始まりは、現代で働く女性を描こうとした経緯でも紹介しています。

二人の親しい関係について、沙村さんは恋愛として描いているわけではないと説明しつつ、その関係と恋愛のバランスをちょうどよいと感じている、と話しました。
瑞穂を描くこと自体も楽しい、と答えています。
まとめ
素直な人物だからといって、甘やかされることや、半人前扱いを喜ぶわけではない。
沙村さんは、瑞穂の人柄と、周囲から受ける扱いへの反応を分けて描いていました。
ミナレの迫力に目が向く作品で、瑞穂について語ったこの説明からも、作者が考えた強い女性の姿を知ることができます。


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