『CLAYMORE』の作者は、ほかにどんな漫画を描いているのか。
八木教広さんの長編をたどると、学園ギャグの『エンジェル伝説』、妖魔と戦う『CLAYMORE』、少年と皇女が旅する『蒼穹のアリアドネ』がある。
三作品はいずれも完結しており、笑いを楽しむか、厳しい戦いを読むか、未知の世界を旅するかで選べる。
それぞれの入口を、巻数と作品の内容から紹介する。
八木教広の三つの長編と巻数
発表順に読むなら、この表の順になる。
それぞれが独立した物語なので、気になるジャンルの第1巻から読み始められる。
『エンジェル伝説』には、ページ数を多くまとめた全10巻のジャンプコミックスDIGITAL版もある。
15巻と10巻という違いは、物語が途中で終わっているかどうかではなく、収録のまとめ方によるものだ。
『エンジェル伝説』――北野の怖い顔から始まる勘違い

北野誠一郎は成績がよく、心も優しい高校生だ。
ところが、悪魔のように恐ろしい顔のせいで、転校先の不良たちまで北野を怖がってしまう。
北野の言葉や行動と、それを受け取る周囲の思い込みがずれていくところに、この漫画の笑いがある。

たとえば、北野が「サイフ」と言っている場面でも、教師は「ナイフ」と聞き違えている。
読者には何の話か分かっているのに、北野に向き合う人物には恐ろしい状況に見えてしまう。
『CLAYMORE』から八木さんを知った人には、こうした勘違いを重ねる作風が意外に映るだろう。
八木さんの最初の長編を、笑いのある学園漫画として読んでみたい人の入口になる。
『CLAYMORE』――妖魔を斬る戦士クレアの物語

人が妖魔に襲われる世界で、大剣を背負った戦士クレアが戦う。
クレア自身も半人半妖で、妖魔の力を持つ戦士だ。
学園の人間関係を笑いにする『エンジェル伝説』から、危険な妖魔に立ち向かうダークファンタジーへ、作品の雰囲気は大きく変わった。

冒頭から、妖魔の大きな身体とクレアの大剣による戦闘が描かれる。
異形の敵との戦いと、戦士たちの関係を長い物語で追いたい人には、この作品が合う。
八木さんが前作と違う作風へ進んだ理由は、『エンジェル伝説』から『CLAYMORE』への転換で詳しく扱っている。
『蒼穹のアリアドネ』――空に浮かぶ都市をめぐる冒険

少年ラシルは、人里から離れた場所で暮らし、空に浮かぶ都市に憧れている。
そこで出会うレアナは、身体が宙に浮く少女で、機械兵の集団に追われていた。
レアナは自分がアリアドネ皇国の皇女だと語り、その国こそラシルが夢見た飛行都市だった。
空の都市への憧れが、皇女との出会いによって実際の旅へつながっていく。
『CLAYMORE』と同じ作者のファンタジーを、今度は少年と皇女の旅から読んでみたい人に向く。
まとめ
『CLAYMORE』で妖魔の怖い姿が印象に残った人には、北野の顔が笑いを生む『エンジェル伝説』も面白い入口になる。
怖い顔の描写が、戦闘とは別の場面でどう生きるかを楽しめるからだ。
世界を旅するファンタジーをもう一作読みたいなら、空の都市に憧れるラシルの『蒼穹のアリアドネ』へ進める。
一作で気に入ったものを手がかりに、別の八木作品へも読み広げられる。

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