冨樫義博と戸川純の関係は?35周年の活動を飾った2枚の描き下ろし

戸川純 with Vampilliaのメンバーの顔を重ねた冨樫義博の描き下ろし画 冨樫義博
冨樫義博による「戸川純 with Vampillia」アーティスト画。2017年公開。©冨樫義博/集英社 戸川純事務所の発表。

冨樫義博さんは、戸川純さんとバンド・Vampilliaを描いたアーティスト画を手がけています。
2017年の年明けに公開された2枚で、戸川さんの歌手活動35周年を記念する「戸川純 with Vampillia」の活動に使われたものです。
一人ひとりの顔を重ねた絵と、制服姿で並ぶ絵。
実在する音楽家たちが、冨樫作品の新しい登場人物になったように見える仕事です。

35周年の音楽活動を飾った、2枚の描き下ろし

戸川純事務所は2017年1月1日、冨樫さんに「戸川純 with Vampillia」のイメージ画を描いてもらったと発表しました。
投稿には、その月に行われるアルバム発売記念ライブの案内も添えられていました。

この名義で、前年12月に発売されていたのが『わたしが鳴こうホトトギス』です。
戸川さんが歌手活動35周年に、自分の曲をVampilliaと作り直したアルバムで、新曲も収録されています。
冨樫さんが手がけたのは、この活動を紹介するアーティスト画2点でした。

顔を重ねた一枚と、制服で並ぶ一枚

記事の冒頭に掲げた一枚では、大勢の顔が斜めに重なるように配置されています。
髪型、眼鏡、ひげ、目つきが一人ずつ描き分けられ、それぞれの表情に目が止まります。
顔だけでも、にぎやかな集団の雰囲気が伝わってきます。

もう一枚は、人物の全身を見せる集合図です。
学ランやセーラー服を着たメンバーが、背の高さも姿勢も違うまま並んでいます。
中央の人物の肩には羽のような飾りがあり、学校の集合写真を思わせる服装の中に、少し不思議な要素が混じっています。

学ランやセーラー服などの制服姿で並ぶ戸川純 with Vampilliaの描き下ろし画
もう一枚は、制服姿で並ぶ集合図。冨樫義博画、2017年公開。©冨樫義博/集英社 戸川純事務所の発表。

大勢が一堂に会する構図には、『HUNTER×HUNTER』の幻影旅団を思わせる迫力もあります。
ただ、見比べて面白いのは集団としての格好よさだけではありません。
一枚目は顔の違い、二枚目は立ち方や服装の違いから、一人ひとりを眺められるのです。

音楽でも、いつもと違う姿を見せようとしていた

絵が公開された頃、戸川さんは音楽でも、自分の曲の新しい形を探していました。
当時のインタビューでは、Vampilliaと共演した際、従来の曲を大胆に変えた演奏にひかれたと話しています。
原曲に近づける演奏とは違い、自分の予想を超えるアレンジだったことが、アルバムを一緒に作りたいと思う理由になったのです。

編曲が変われば、歌い方も変わります。
戸川さんは「好き好き大好き」で、以前の激しい歌い方から、かわいらしい声を使う方向を提案されたことを振り返っていました。
長く歌ってきた曲にも、共演する相手によって、自分では予想しなかった表情が生まれていたのです。

こうした制作の話は、戸川さん本人のインタビューで読むことができます。

まとめ

この2枚は、冨樫さんの漫画を入口に、戸川純 with Vampilliaという音楽家の集団に出会える絵です。
登場人物を見るように顔や立ち姿を眺めていると、今度はこの人たちがどんな音を出すのか、という興味が湧いてきます。
この絵から知った顔を、今度は歌や演奏の中で見つける。
そんな楽しみ方ができるのも、実在する音楽家を描いたアーティスト画ならではです。

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