皆川亮二さんの三作品は、高校生が非日常の出来事に関わるアクション漫画です。
主人公がどんな立場で物語に入るかは、三作品で異なります。
『スプリガン』の御神苗優は、危険な遺産を守る工作員。
『ARMS』の高槻涼は、自分の右腕の異変に直面する高校生。
『D-LIVE!!』の斑鳩悟は、依頼に応じて運転の技術を使う人物です。
第1巻の導入から、その違いを見ていきます。

『スプリガン』の優は、任務を担う工作員
優は、超古代文明の遺産を悪用させないために戦う特殊工作員です。
小学館の作品紹介でも、遺産を守ることが優の役目として示されています。
危険な遺産があり、その遺産を狙う人々がいる。
優は、工作員としてその争いの中へ入っていきます。

優は学校にも通っていますが、任務に向かうときは、すでに力を備えた工作員です。
声優・小林千晃さんとの対談で、皆川さん自身も、優を初めから強い主人公として説明しています。
優について作者が悩んだのは、力の強い脇役が増えていく中で、主人公をどう目立たせるかでした。
これは、皆川さんが優を描きにくかった理由にもつながっています。

『ARMS』の涼は、自分の右腕の異変に直面する
『ARMS』の始まりでは、高校2年生の涼の前に、新宮隼人が転校してきます。
隼人は奇妙な左腕で、突然涼を襲います。
さらに謎の男・爪が現れ、涼の幼なじみのカツミを傷つけようとしたとき、涼自身の右腕にも異変が起きる。
この流れが、小学館の第1巻紹介に示されています。

優が、守るべき遺産のある場所へ向かうのに対し、涼は転校してきた隼人に突然襲われます。
事件は涼自身の体にも関わっています。
主人公が何をできるかという関心に、自分の右腕に何が起きたのかという疑問が重なる始まりです。
『D-LIVE!!』の悟は、技術で依頼に応える
悟が所属するASEは、さまざまな分野のスペシャリストを集めた国際的人材派遣会社です。
悟の専門は、どんな乗り物でも乗りこなす運転の技術。
第1巻では、銀行強盗の捜査を依頼され、地下水路を逃げる強盗を追います。

この仕事では、メカニックの初音が、特別製のジェットスキーを用意します。
初音が機体の機能を説明し、悟がその機体を操縦する。
二人は別々の技能を使って、同じ依頼に取り組んでいます。

悟は、最初から仕事に乗り気な顔をしているわけではありません。
乗ったことのないジェットスキーを見て不満をこぼす悟と、機体を確かめて走り出す悟の違いが、この場面の面白さです。
任務の中で、悟の腕前と乗り物の動きが一緒に見せ場になります。
同じ皆川作品でも、物語作りに関わる人は違う
『スプリガン』は、たかしげ宙さんの原作を皆川さんが描いた作品です。
『ARMS』では、七月鏡一さんが原案協力として参加しています。
七月さんの少年サンデー公式プロフィールには、『D-LIVE!!』への原案協力も記されています。
作品ごとの原作者や協力者については、『ARMS』の作者と三作品の制作上の違いで詳しく紹介しています。
まとめ
遺産をめぐる冒険が気になるなら『スプリガン』、体に隠れた謎を追いたいなら『ARMS』、乗り物の活躍を楽しみたいなら『D-LIVE!!』。
同じ皆川さんの作品でも、主人公を通じて何を楽しみたいかで、読み始める一冊を選べます。

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