火影は裏武闘殺陣で優勝し、烈火は紅麗との死闘に勝つ。
ところが、大会の決着の後、森光蘭は紅麗を殺そうとする。
最強の相手を倒したことが、森との決着にはならなかった。
火影が目指す勝利と、主催者の森が達成したい計画は、同じものではなかったのだ。

火影は柳を守るため、大会の勝敗から逃れられなかった
大会では、負けたチームが賭けた景品を差し出す。
火影の場合、その景品に柳が選ばれている。
烈火たちには、負ければ柳を奪われるという条件があった。
勝ち進むことは、強さを証明するだけでなく、柳を守るためにも必要だった。
紅麗は、森が柳の治癒の力を欲していることを知り、その命令で柳を狙ってきた。
しかし、森は大会の試合だけに柳の確保を任せてはいない。
準決勝で土門と戦っていた魔元紗は、次元界玉を使って身代わりと入れ替わり、柳をさらおうとする。
烈火が魔元紗を撃退し、柳を守った。
試合で負けなければよい、という条件の外でも、柳は狙われている。
森にとって柳は、大会の結果を待って諦められる景品ではなく、不老不死を得るために欲しい相手だった。
この時点で、火影は試合の規則に従うだけでは柳を守れなかったのだ。
森が待っていたのは、紅麗が弱る機会だった
森は、月乃を人質に取って紅麗を従わせていた。
一方で、紅麗の強すぎる力を恐れ、自分に逆らわない炎術士を作ろうとしていた。
その成功例が煉華だった。

烈火との死闘を終えた紅麗は、満身創痍になる。
森は、その紅麗を裏麗と煉華に襲わせ、大会の本当の目的が紅麗暗殺だったと明かす。
紅麗に勝つため、烈火が全力を尽くした戦いを、森は紅麗を始末する機会として利用していた。
森が排除したいのは、敗北した選手ではなく、自分を脅かしかねない紅麗という人間だ。
森にとって、大会の決着は計画の終わりではなく、紅麗を襲うための時機になった。

音遠の救出で紅麗は生き延び、やがて森と戦う側へ回る。
烈火にとって強敵だった紅麗も、森に利用され、命を狙われる人物だった。
大会後に明かされる暗殺の計画によって、烈火と紅麗の対決そのものを、森が利用していたと分かる。
火影の優勝は、柳を賭けた大会に勝ったという成果を持つ。
だが、優勝によって森が柳を欲する理由や、紅麗を恐れる事情まで消えるわけではない。
大会の勝利と、森の企みを止めることは、別に果たさなければならなかった。
裏武闘殺陣で兄弟の対決が終わっても、その戦いを利用した森は残る。
烈火たちの勝利の後に戦いが続くのは、決着をつける相手が、大会で戦った紅麗だけではなかったからだ。


コメント