楳図かずおさんの再刊本には、昔の付録の姿を再現するもの、連載時のカラーを収めるもの、作品を選び直して編集するものがあります。
同じ漫画でも、どの時期の、何を集めた本かによって、見られる内容が変わります。
ここでは、出版社が紹介している三つの編集方針から、その違いを見ていきます。

付録の姿を再現する「なかよしブック」BOX
2026年に講談社から発売された『復刻「なかよしブック」シリーズBOX〈絶叫少女編〉』は、漫画だけでなく、当時の付録の姿も残そうとした本です。
講談社の刊行発表によると、サイズや仕様、せりふ、色味に加え、広告や読者ページも可能な限り再現しています。
「なかよしブック」は、1966年から1968年に作られた『なかよし』の別冊付録です。
全15冊のうち、このBOXには「赤いちょうの少女」「まだらの少女」「ねこ目の少女」「ねむり少女」「へび少女」の5冊を収めました。
付録用の描き下ろし表紙や人物紹介も、復刻の対象になっています。
漫画と一緒に、同じ付録にあった広告や読者ページも読める。
昔の付録一冊の内容に触れられる復刻です。
初出のカラーや扉絵を収める「楳図PERFECTION!」
小学館の「楳図PERFECTION!」には、連載時のカラーや扉絵などを収めた版があります。
例えば、『洗礼』第2巻の紹介では、初出時のカラー原稿と、連載時の扉絵を収録すると説明しています。
『わたしは真悟』の紹介では、雑誌連載時のカラーに加え、単行本に収める時に追加されたカラーも、全6巻のシリーズに収録すると案内しています。
最初に雑誌へ載った時の絵と、その後に加えた仕事の両方を集めているのです。
このような版を調べる時は、物語の収録範囲と一緒に、カラーや扉絵についての説明も確かめると違いが分かります。
扉絵をまとめて見たい場合には、別に刊行された『わたしは真悟 扉絵全集』もあります。
作品を選び直した「こわい本」と「ゾク こわい本」
KADOKAWAが2021年に刊行を始めた『こわい本』は、新編集とデジタル修正を行った新装版です。
第2巻「異形」では、題名の通り異形をテーマに作品を組み合わせています。
巻末には楳図さんのインタビューや談話も入り、表紙と帯のデザインは吉田ユニさんが担当しました。
2025年に始まった『ゾク こわい本』では、楳図さん自身も生前に作品選びへ加わっています。
刊行時の出版社の説明によると、収録作を本人と相談し、シリーズ名も楳図さんが決めました。
入手しづらい作品を中心に選んだシリーズです。

本人による巻末の作品解説は実現しませんでしたが、刊行された第1・2巻には、中野晴行さんの解題や、青年時代の写真、単行本未収録の扉絵も加えられています。
昔の本の姿を戻す復刻とは違い、作品を組み合わせ直し、作者を知る資料も添えて読む形です。
まとめ
復刊は、以前読んだ漫画に再会する機会にも、知らなかった作品へ進む入口にもなります。
楳図さんの再刊本では、その入口が、昔の付録、カラーや扉絵、本人も関わった作品選びという形で用意されています。
題名だけで選ぶ前に、どんな編集で何が収録されているのかを確かめると、自分が見たい楳図作品へ近づきやすくなります。






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