『7SEEDS』の登場人物は、連載の初期から全員の細かな設定がそろっていたわけではありません。
2002年のインタビューで田村由美さんは、ある程度決まった人物も、まだ曖昧な人物も、まったく未知の人物もいると答えています。
描きながら人物の反応や相性を知り、自分でも思いがけない組み合わせが生まれた、と完結後にも振り返っています。

計画にいる40人を、同じ細かさで決めてはいなかった
2002年の公式インタビューでは、春夏秋冬の5チームにガイドを含めて計40人いる計画について、人物は全員決まっているかと質問されています。
田村さんの回答は、決まっている程度が人によって違う、というものでした。
まだ全く分からない人物もいるし、全員が登場するとは限らない、と話しています。
この時点で、誰がどの程度決まっていたかは、田村さんは挙げていません。
具体的な人物の作り方をもう少し知ることができるのは、2020年の佐々木望さんとの対談です。
人物表を埋めるより、描いて反応を知る
田村さんはこの対談で、もともと人物の設定表を作らず、最初から人物を細かく作り込むこともしないと説明しています。
実際に描いてみて、その人がどう考え、どう反応し、何を許せないのかを知っていく。
誰と気が合い、誰とは合わないかも、描く中で分かることが多かったそうです。
その方法について、田村さん自身は良くないやり方なのだろうと断りながら話しています。
田村さんは、夏のAチームの過去を描くのは楽しかったものの、彼らがほかのチームと出会ったらどうなるかを考えるのは難しかった、とも話しています。
ナツと蟬丸、あゆと新巻は想定外だった

田村さんが意外だった例として挙げたのが、ナツと蟬丸、あゆと新巻、ハルと小瑠璃、まつりと涼です。
こうした人物の組み合わせは、最初から考えていたものではありませんでした。
とくに涼については、まつりと関わることで、生きて成長する人物へ変わったと説明しています。
田村さんは途中から、その人を誰が癒やせるか、誰となら本音で話せるか、価値観が変わるかという見方で、人物を考えるようになったのではないかと振り返っています。
同時に、どうしてもぶつかり合う組み合わせもできたそうです。
大人数の描き分けには心配もあった
2002年には、田村さんは大人数を描き分ける大変さも気にかけています。
昔の編集者から、描き分けができないのだから大勢が出る話はやめなさいと言われたことがある、と回想していました。
その助言を守っていないと、冗談交じりにも話しています。
田村さんは、大人数の描き分けを心配しながらも、多くの人物が出会う話を描き続けました。
まとめ
2020年の対談の聞き手は、あらかじめ緻密な構想を作り、それに沿って描いた作品という印象を伝えていました。
田村さんの回想では、人物を描き、反応を知り、関係を見つけていく過程が大きかったのです。
ナツと蟬丸や、あゆと新巻の関係を知るとき、作者にも思いがけない関係だったと分かることが、人物たちを読むもう一つの面白さになります。
物語を複数チームの視点で描くようになった経緯は、『BASARA』から『7SEEDS』への創作の変化で紹介しています。
場面と設定を考えた順序は、『7SEEDS』の着想の記事へ続きます。


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