『天外君の華麗なる悩み』とは?真倉翔が一人で描いた硬派ラブコメ

真倉翔 天外君の華麗なる悩み 第1巻電子版の表紙 漫画家・作者
真倉翔『天外君の華麗なる悩み』第1巻電子版/集英社。

『天外君の華麗なる悩み』は、『ぬ~べ~』の原作者・真倉翔さんが、絵も物語も一人で手がけた全2巻のラブコメです。
主人公の天外君は硬派に生きたいのに、女性を引き寄せる特異体質のせいで、行く先々でモテてしまいます。
本人には迷惑な人気が、次の騒動を起こす作品です。

真倉翔 天外君の華麗なる悩み 第1巻電子版の表紙
真倉翔『天外君の華麗なる悩み』第1巻電子版/集英社。 出典

モテることが悩みになる、硬派な主人公

集英社の第1巻紹介によると、天外君の理想は高倉健です。
女性に目もくれず、硬派に人助けをしようとするのに、女性たちはますます彼を好きになってしまいます。

第1話の冒頭で、鬼相天外は医師に、女性にモテ過ぎて困ると相談しています。
医師は、異性を引きつける分泌物について説明します。
天外君は、この体質のために硬派な生き方ができないと困っています。
街を歩いても女性たちに追いかけられ、思うようにはいきません。

硬派でありたい本人と、女性たちの熱狂がかみ合いません。
天外君にはありがたくない人気が、困り事を増やしていくところに笑いがあります。

フェロモンが効かない茶子が現れる

第1巻の第6話には、天外君のフェロモンが効かない女の子、茶子が登場します。
天外君の体質に動かされない相手がいるという設定が、恋の展開に加わります。

真倉翔 天外君の華麗なる悩み 第2巻電子版の表紙
真倉翔『天外君の華麗なる悩み』第2巻電子版/集英社。 出典

第2巻の紹介では、茶子がさらわれ、天外君が助けに向かう展開が示されています。
人助けをする硬派な主人公という設定が、茶子を救いに行く物語にもつながっています。

『ぬ~べ~』以前に、絵も描いていた真倉翔

『天外君』の連載が始まったのは、『週刊少年ジャンプ』1991年41号です。
1993年に『ぬ~べ~』を始める前の、真倉さんの単独作品でした。

真倉翔の天外君の華麗なる悩みが表紙を飾る週刊少年ジャンプ1991年41号
『天外君の華麗なる悩み』連載開始号。『週刊少年ジャンプ』1991年41号/集英社。 出典

真倉さんは2025年のインタビューで、『天外君』を描いて、週刊連載で絵を描き続ける難しさを知ったと語っています。
その後、話作りを評価した担当編集者の提案で、岡野剛さんと組むことになりました。
詳しい経緯は、二人の分業とコンビ結成の記事でも紹介しています。

黒いTシャツ姿で取材に答える真倉翔さん
真倉翔さん。2025年公開インタビューより/撮影:長谷部英明。 出典

真倉さんは、共同制作で原作を担当するようになった後も、台詞やコマ割りを入れた絵付きのネームを描いています。
『天外君』では、完成した漫画の絵も含めて、真倉さん自身の仕事を読めます。

全2巻には、別の読み切りも収録

単行本は全2巻で、本編のほかに第1巻へ『マッチョ キューピィ』、第2巻へ『ハッタリ4×4』を収録しています。
紙の単行本は1992年に刊行され、2019年には電子版も配信されました。

まとめ

天外君のモテる体質は、本人が望む硬派な人生を邪魔する弱点にもなります。
強みになりそうなものを主人公の困り事へ変え、本人が大真面目なほど騒動を起こすのが、『天外君』の面白さです。
『ぬ~べ~』の原作者として真倉さんを知った人にも、一人で絵と話を手がけた頃の笑いを楽しめる作品です。

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