和月伸宏はネットの読者感想を見る? 評判を探さず、長い感想には耳を傾ける

集英社の対談漫画で和月伸宏と中田貴大が会う場面 和月伸宏
集英社「マンガの極意!」第1回の漫画(仲英俊/集英社)。

和月伸宏さんは、集英社の対談で、インターネットで自分の評判を積極的には調べないと話しました。
執筆のための調べ物や話題作を知るために使い、偶然自作についての書き込みを見つけたら、つい読んでしまうことはあるそうです。
読者の声を一切避けているわけではありません。
受け止め方には、短い評と、時間をかけて書かれた感想との違いがあります。

ネットは調べ物に使い、評判は探さない

集英社の若手作家との対談で、中田貴大さんがネットでファンの声を読むかと尋ねました。
和月さんは、ネットは広いので自分の評判をわざわざ調べない、と答えています。
普段の使い道として挙げたのは、作品を描くための調査と、話題になっている作品を知ることでした。

同じ対談では、体調を整えるうえで気持ちの管理を特に意識しているとも話しています。
気分が沈みそうなときは好きな漫画を読み返し、お笑いや映画を見て気持ちを上げる。
面白い漫画を描くには心の調子も大切だ、という本人の考えです。
読者の反応が気にならないわけではなく、自分の評判を自ら探すことは控えているのです。

短い評と、時間をかけた感想は受け止め方が違う

中田さんは、読者の書き込みを見ると心に来ることがあると打ち明けました。
和月さんは、一言二言のレビューを気にしすぎても仕方がない、と応じます。
一方で、長い文章で作品について語ってくれる人の意見は別だと話しました。
たとえ厳しい内容でも、そこまでの労力をかけて書かれた感想からは得られるものがあるというのです。

その場の短い評価の数を追うことと、作品をよく読んだ人の考えを聞くことは、和月さんの中では同じではありません。
すべての批評を無視するのでも、あらゆる書き込みを同じ重さで受け取るのでもない。
誰かが時間をかけて作品に向き合ったなら、否定的な意見にも耳を傾けるという姿勢です。

新人には「褒められたいだけなら見ない方がいい」

中田さんが新人作家もネットの評判を見るべきかと聞くと、和月さんは、強い意思をもって自分を鍛えるつもりなら、どんな意見も糧にできるだろうと答えました。
褒められたいだけなら、見ない方がいいとも話しています。
これから描く人へ勧めているのは、評判を毎日確認することではなく、自分が意見をどう扱えるかを考えることです。

対談の最後に、和月さんは自分も楽しんで描き、読者も楽しめるように描いてほしいと新人へ伝えています。
自分だけが楽しくても、読者だけに合わせても、面白い漫画にはならないという考えです。
読者の感想はその接点を知る手がかりになりますが、感想を見ること自体が創作の目的にはなりません。

集英社の対談漫画で、漫画を楽しみ尽くすことについて語る和月伸宏
集英社「マンガの極意!」第10回の漫画(仲英俊/集英社)。

まとめ

和月さんは、ネットの評判を自分から探す習慣はないと話しています。
偶然見た感想のうち、時間をかけて書かれた意見には、厳しい内容でも学べるものがあると考えています。
読者の声に触れる距離を自分で選びながら、描く楽しさと読んでもらう楽しさの両方を大切にする。
評判を追うことより、描き続けることと、作品をよく読んでくれた人の声から学ぶことを選んでいるようです。

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