和月伸宏さんは集英社の取材で、『ドラえもん』『パーマン』『ブラック・ジャック』『まんが道』を、大人になっても読み返す漫画に挙げました。
『デビルマン』と『ゲッターロボ』も、中学・高校の頃から変わらず好きな作品として話しています。
一方、少年時代には『キャプテン翼』などのジャンプ作品だけでなく、少女漫画やロボット作品にも触れていました。
最初に夢中になった『ドラえもん』
和月さんは小学生の頃、兄がノートにコマを割って漫画を描く姿をまねて、自分でも描き始めました。
友人が読んでくれるのが嬉しく、描き続けたとジャンプSQ.の取材で振り返っています。
その頃に影響を受けた漫画として本人が挙げたのが、藤子・F・不二雄さんの『ドラえもん』と『パーマン』でした。
長岡で行われた別の本人取材では、小学校低学年の頃に『コロコロコミック』を買う一番の目当てが『ドラえもん』だったとも話しています。
好きなひみつ道具を尋ねられると、和月さんは「もしもボックス」を選びました。
漫画家として「もしも」の世界を描いている自分には、その道具が気になるという答えです。
子どもの頃の思い出にとどまらず、後年も読み返す作品に『ドラえもん』を挙げています。

ジャンプの横にはサンデー、家には少女漫画もあった
中学生になると、和月さんは『週刊少年ジャンプ』を買い、『キャプテン翼』『キン肉マン』『北斗の拳』『ドラゴンボール』を読みました。
同じ頃に『週刊少年サンデー』の『タッチ』『うる星やつら』も読んでいたと話しています。
のちに描く時代劇だけに好みが固まっていたわけではありません。
さらに2016年の取材では、家の本棚にあった『デビルマン』や『地上最強の男 竜』を幼い頃に読んだと振り返りました。
それらの本がどうやって家に来たのかは、本人にもはっきり分からず、年上の親戚からもらったのかもしれないと話しています。
妹が買っていた『なかよし』や『LaLa』を通して、少女漫画も読んでいました。
和月さんは、明るい少年漫画だけで育ったかと問われ、暗い作品や一風変わった漫画も読んできたと答えています。
そうした作品からも影響を受けたと思う、と本人は話しました。

ロボット好きだった投稿時代
時代劇を描く前の和月さんは、ロボットものにも親しんでいました。
本人が2016年の取材で挙げたのは『機動戦士ガンダム』と『ゲッターロボ』です。
初期の投稿作もロボットもので、初めから剣客の漫画を描いていたわけではないと振り返っています。
後年、和月さんは『ゲッターロボ』を変わらず好きな作品に挙げ、石川賢さんの激しさと明るさを併せ持つ漫画に憧れる、自分には描けないとも話しています。
好きな作品と、自分が実際に描く作品が必ず同じ方向になるわけではないことも、ここに表れています。

読み返す漫画と、自分で描き続ける漫画
和月さんがジャンプSQ.の取材で読み返すと答えた作品には、手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』と藤子不二雄Ⓐさんの『まんが道』も入ります。
漫画を一番好きな媒体に挙げた理由は、子どもの頃に手に取りやすく、何度でも読めて、まねして自分で描くこともできたからでした。
取材では、話題作を見ていても「自分ならどう描くか」を考え始めてしまうと話しています。
仕事を忘れて楽しめる作品は、年に数作あればいいほうだと話しています。
そうして仕事の目で作品を見るようになっても、子どもの頃から好きだった漫画を読み返すと答えています。
もっとも、読む側として好きなものと、描く側として長く向き合えるものは別です。
和月さんは『エンバーミング』を振り返る取材で、暗い作品を読んだり観たりするのは好きでも、自分で描き続けるのは難しかったと話しています。
その経験から、娯楽の基本として笑顔とハッピーエンドを大切にしたいとも述べました。
まとめ
和月さんが好きだと挙げた漫画には、藤子作品のような親しみやすい物語も、『デビルマン』や『ゲッターロボ』のような激しい作品もあります。
一方で、妹の雑誌で読んだ少女漫画や、投稿時代に描いたロボット作品は、作品名だけでは見えない若い頃の関心の広がりを教えてくれます。
和月さん自身は暗い作品を読むことと、明るい結末を目指して漫画を描くことを分けて語りました。
読んでいた作品と、自分で描き続けたいと考えた作品の違いに目を向けると、和月さんの創作の歩みも見えてきます。


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