『ぼくの地球を守って』の続編『ボクを包む月の光』は、最初は読者へお礼を伝える読み切りとして描かれました。
日渡早紀さんは、完結後も届く手紙を読み、続編を望む気持ちを感じるうちに、お礼の一作を渡したいと思うようになったと話しています。
次世代編の主人公は、輪と亜梨子の息子・蓮です。
両親の不思議な能力に囲まれて育つ少年を通して、物語は子どもたちの世代へ広がりました。

完結後の手紙が、お礼の読み切りにつながった
日渡さんは2014年のインタビューで、『ぼく地球』を終えたときは、やっと終わったという気持ちが強かったと振り返っています。
長い連載を終えた後に届いたファンレターには、自分は大きなことをしたのかもしれないと思わせてくれるものもありました。
読者が喜んでくれたのだからよかった、と感じたそうです。
その後も、日渡さんは読者が続きを望んでいることを感じていました。
手紙を読むうちに、このままにしておくのは申し訳ない、何かお礼を渡したいと思い、一本の読み切りを描きます。
これが『ボクを包む月の光』の始まりでした。
別の連載と切り替えながら描き、連載へ
当初から、次世代編を長期連載にするつもりだったわけではありません。
日渡さんは『GLOBAL GARDEN』を連載しており、そちらと切り替えながら読み切りを描いていたと説明しています。

やがて、読み切りを連載にするという話になりました。
『ボク月』の世界でも時間が進み、日渡さん自身が、この先に何かできないかと思うようになります。
序盤の明るい話から物語が深まったことについては、読者がそうした展開を望んでいると感じ、自然にそうなったと2014年の取材で語りました。
再会する人物たちにも、読者へ見せたい姿がある
続編で人物たちを再び描くとき、日渡さんは彼らの「見栄」も大切にしていたといいます。
読み切りの頃、登場人物が集まる場面で、読者に伝えたいことはあるか、どんな姿でここにいたいかと、人物たちに問いかけたそうです。
彼らが読者にどう見られたいかを考え、その姿を描く。
日渡さんは、第1作の頃から、人物の見栄や建前を尊重していたと説明しています。

日渡さんは、読者と再会する人物たちがどう振る舞うかを、彼らの立場からも考えていたのです。
第3部は、描くうちに膨らんだ疑問から
2022年の取材でも、日渡さんは『ボク月』を読者への感謝から描いたと話しています。
同時に、シリーズを続けるのは、読者に求められたからというより、自分の中で膨らむものがあったからだと説明しました。
第3部『ぼくは地球と歌う』につながったのは、『ボク月』を描くうちに生まれた、サージャリムへの疑問です。
サージャリムは、亜梨子の前世・木蓮たちの世界で信仰される創造神です。
この存在は何者なのかという気持ちが、自分の中で膨らんだと語っています。

まとめ
読者へのお礼として再び描いた世界に、日渡さん自身も新しい謎を見つけていきました。
続編は読者と再会するための物語であると同時に、作者がその世界をさらに知り、描き進める場にもなっていったのです。

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