『わたしは真悟』は、2018年のアングレーム国際漫画祭で遺産賞を受賞しました。
遺産賞は、後世へ残す価値のある漫画を顕彰する賞です。
公式受賞一覧に記されたのは、フランス語版『Je suis Shingo』の第1巻でした。

フランス語版の刊行は2017年から
『わたしは真悟』は、日本では1982年から1986年に連載された長編SFです。
小学館の当時の受賞発表によると、フランスではLe Lézard Noirから2017年に翻訳版の刊行が始まりました。
その翌年、第45回アングレーム国際漫画祭で受賞しています。
2018年1月27日付の公式受賞一覧には、遺産賞の部門名とともに、『Je suis Shingo tome 1』、作者Kazuo Umezu、出版社Le Lézard Noirが並んでいます。
日本での連載終了から三十年以上たって、フランス語の新しい読者へ届いた一冊が選ばれたのです。

漫画の歴史に残していく作品としての評価
小学館は、遺産賞を、遺産として残すべき作品と認められた漫画に与えられる賞と説明しています。
楳図さんにとっても、昔の作品が長い時を経て、漫画を芸術として受け止めるフランスで選ばれたことに、大きな喜びがありました。
受賞発表に寄せた本人のコメントでは、うれしさとともに、この後にも楽しい企画が続きそうだという期待を語っています。

フランスの出版社は、第1巻の紹介で、ホラーで知られる楳図さんの、SFでの力量も伝える作品と位置付けています。
翻訳を担当したのは、Miyako Slocombeさんです。
恐怖漫画の作者という入り口から、機械に意識が生まれる長編へも、読者を案内しています。
楳図さんには、新作を描くきっかけになった
楳図さんは2023年のインタビューで、遺産賞を受けた時、新たに描き下ろそうと思ったと話しています。
すでにある原画を展示するだけでなく、新しく描いたものを、美術として見せたいと考えたのです。
2022年に発表した『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』では、101点の絵画をつないで物語を見せる方法に取り組みました。
受賞は、楳図さんにとって過去の仕事を認められた出来事であるとともに、次の表現を試す契機にもなっています。

まとめ
フランス語版の刊行によって、1980年代の物語が新しい読者に届き、漫画の歴史に残す作品として顕彰されました。
『わたしは真悟』の受賞は、作品が国と世代を越えて読み継がれていく過程の一つだったのです。


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