『わたしは真悟 扉絵全集』は、楳図かずおさんの長編漫画『わたしは真悟』の扉絵を集めた本です。
4色・2色の原稿や、未発表原稿3枚も収録されています。
2025年11月発売の『ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX』に、連作絵画を収めた一冊とセットで入っています。

物語を追う途中で、一枚の絵に目を止める
『わたしは真悟』の扉絵には、物語の筋とは別に、一枚の絵として見る面白さがあります。
グラフィックアーティストの伊波英里さんも、2022年のインタビューで、扉絵が一つの絵画として完成していると話していました。
物語を読んでいると、筋に直接は関係しない扉絵が突然挟まれ、そのことに衝撃を受けたといいます。

伊波さんは、『わたしは真悟』をビジュアルブックとしても捉えていました。
悟と真鈴の物語を追うことと、ページを止めて絵を見ること。
一冊の漫画に、その両方の楽しみを感じていたのです。
未発表原稿やカラー原稿も収録
小学館の収録内容の案内では、全扉絵に加えて、完全未発表原稿3枚、4色・2色原稿も収録したと説明されています。
また、各ページを原画と突き合わせ、繊細な線まで再現することに力を入れたとしています。
判型はA4判です。
出版社は文庫版と並べた写真も公開しており、同じ作品でも絵を見る大きさが変わることを示しています。

未発表原稿が入ること、色のある扉絵もまとまって見られること、原画に照らして線を再現したこと。
出版社の説明からは、絵そのものを見直すための本として作られたことが分かります。
BOXのもう一冊は、連作絵画『ZOKU-SHINGO』
『ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX』には、『わたしは真悟 扉絵全集』と『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』の二冊が入っています。
後者は、2022年の展覧会で発表された連作絵画を収めた本です。
出版社の刊行案内によると、着彩画101点と素描101点を収録しています。

扉絵全集は、漫画の各話に添えられた絵をまとめて見る一冊です。
『ZOKU-SHINGO』は、つながった絵で物語を見せる後年の作品。
漫画と連作絵画をつなぐ『わたしは真悟』の作品歴も知ると、同じBOXに入る二冊の違いがつかみやすくなります。
まとめ
伊波さんが語ったのは、物語の途中で、扉絵に出会って足を止めるような読書の体験でした。
扉絵全集では、その絵を続けて見ることができます。
物語の先を追う時とは違う見方で、楳図さんの線や色に向き合える一冊といえるでしょう。


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