アニメ『7SEEDS』で新巻鷹弘を演じた佐々木望さんは、田村由美さんの漫画の台詞にも関わっています。
『7SEEDS』では英語、『イロメン』ではスペイン語、『ミステリと言う勿れ』では広島弁への協力をしていました。
さらに、佐々木さんの朗読ライブでは、田村さんが脚本を書く側に回っています。
二人の仕事は、キャラクターに声をつける関係から、漫画の言葉や舞台の台本へ広がっていました。

出会いは原画展、田村作品での最初の役はタタラ
2020年の二人の対談によると、初めて会ったのは1991年春の原画展です。
田村さんと友人の漫画家たちが開いた展示に、佐々木さんは別の漫画家のゲストとして来ており、会場で流すナレーションも担当していました。
田村さんは、いつか自分のキャラクターも演じてもらえたらと考えていたそうです。

その機会が、1994年のドラマCD『TATARA』で訪れます。
田村さんが脚本を書き、佐々木さんが『BASARA』の更紗の兄・タタラを演じました。
その後のアニメ『LEGEND OF BASARA』では浅葱役、アニメ『7SEEDS』では新巻役へと、田村作品との関わりが続いていきます。
英語・スペイン語・広島弁は、それぞれ別の作品
佐々木さんが言葉の面で協力した作品を分けると、次のようになります。
田村さんは、英語とスペイン語について、まず編集者を通して専門の方を探そうとしたと話しています。
編集者から適任者がいないと言われた田村さんは、自分の知り合いから探すことになり、佐々木さんへお願いしました。
佐々木さんは自分を学習者だと言いつつ、台詞を訳す作業は楽しいと応じています。
田村さんのほうは、誰よりも頼りになると笑っていました。
広島弁への協力では、作業の中身も具体的に説明されています。
田村さんが標準語の台詞と、その場面の状況説明を送る。
広島県出身の佐々木さんが、自分なら広島弁でこう言う、という言葉に直す。
どんな場面で発する台詞なのかも共有しながら、漫画の言葉を作っていたのです。
朗読ライブでは、田村由美が脚本を担当

朗読ライブでは、佐々木さんが企画を立て、田村さんへ脚本を頼んでいました。
よしながふみさん原作の朗読ライブ『きのう何食べた?』です。
主催者が発表した公演概要では、2018年2月の公演に田村由美脚本、佐々木望プロデュース、佐々木望・森田成一出演と記載されています。
佐々木さんは、脚本をぜひ田村さんにお願いしたかったと、2020年の対談で振り返っています。
佐々木さん自身も脚本に少し関わり、二人は何度もやり取りを重ねて完成させました。
田村さんは演出にも関わり、撮影にも同行したと話しています。
田村さんが気をつけたのは、よしながさんの原作を大切に生かし、重要な台詞を落とさないことでした。
自分の漫画をアニメにするスタッフも、同じ悩みを抱えているのかもしれないと語っています。
自作を演じてもらってきた田村さんが、他の漫画家の作品を台本へ移す側にも立った仕事でした。
まとめ
田村さんの漫画に佐々木さんが言葉の面で協力し、佐々木さんの企画では田村さんが脚本を書く。
二人の間には、そうした仕事の往来がありました。
朗読ライブを振り返った佐々木さんは、本番以外は自分も制作者であり、田村さんと同じ作り手の視点で話し合えたことが勉強になったと述べています。
声優と漫画家が、それぞれの仕事を持ち寄って、一緒に作品の形を考える。
台詞を演じる前の制作についても、二人が同じ立場で相談できることに、この協働の面白さがあります。




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