『7SEEDS』を思いついたとき、田村由美さんの頭には、まず物語の導入がぼんやりと映像のように浮かんでいました。
その後で、物語の設定を考えていったといいます。
その設定について語るとき、田村さんは、誰が生き残り、誰と一緒にいたいかという疑問も挙げています。

先に浮かんだのは、物語の入り口
田村さんは2002年の公式インタビューで、導入の場面が先に浮かび、設定は後から考えたと説明しています。
描きたかったのは、過去の作品で多かった陰謀や犯罪、殺し合いから離れ、生き抜く話でした。
2020年の対談では、その導入を、見知らぬ場所に流れ着くという案として編集者に話したと振り返っています。
編集者はその案で始めようと提案しましたが、田村さんは、先のことがまだ決まっていないと戸惑っていました。
それでも連載は始まり、田村さんは手探りで話を進めることになります。
設定を考えたとき、頭にあった疑問
2002年のインタビューには、設定を考えるうえで田村さんの頭にあった疑問も出てきます。
大きな出来事が起きたとき、国家権力は誰を拾い上げ、誰を残していくのか。
そうなったとき、自分は誰と一緒にいられたら幸せなのか。
こうした疑問が、最終的な設定につながったのかもしれないと話しています。
漫画家の自分は、その世界で何ができるか

同じインタビューで、田村さんは自分に近い主人公を選ぶならナツだと答えています。
自分にとって耳の痛い話を描いているようにも感じる、といいます。
田村さん自身、世界が壊れた後に生き残ったら、自分やほかの人のために何ができるかを考えるそうです。
けれど、役立てるものがなさそうだと感じ、漫画を描く力は役に立つのだろうかと考えています。
文明がなくなった場所を考えることは、作者自身の仕事や能力を考え直すことでもありました。
まとめ
田村さんは、その問いを自分に向けるだけでなく、読者にも「皆さんはどうですか?」と投げかけていました。
未知の世界を思い浮かべることが、自分の得意なことや、大切な人を考えるきっかけにもなる。
田村さんの着想の話は、『7SEEDS』の世界へ、自分ならどう生きるかという疑問を持って入る手がかりになります。
二作品の創作の違いと、チームごとの視点へ広がった経緯は、『BASARA』から『7SEEDS』へでも紹介しています。

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