おキヌはいつ生まれた?椎名高志が語る『GS美神』の三人組

椎名高志の肖像、2024年グラニフ取材 椎名高志
椎名高志/2024年グラニフ取材。撮影:泉大悟。

『GS美神 極楽大作戦!!』のおキヌは、椎名高志が連載の準備を編集者と相談しているときに生まれました。
美神令子と横島忠夫の掛け合いが荒っぽくなりすぎないように、マスコット役として加えたのです。

美神と横島だけでは、掛け合いが荒っぽくなる

『GS美神』は、毎月違う読み切りを描く企画から生まれた作品です。
除霊を商売にする美神と、その助手の横島が、悪霊退治の現場で騒がしい掛け合いを繰り広げます。
美神が横島を殴るギャグは、第1話の冒頭にもあります。

GS美神 極楽大作戦 第1巻の表紙
『GS美神 極楽大作戦!!』第1巻。美神、横島、おキヌ/椎名高志、小学館。 出典

椎名は2024年のグラニフ取材で、連載開始前にはおキヌがいなかったと説明しました。
美神と横島の二人だと、椎名のいう「どつき漫才」が続き、物語が殺伐としてしまう。
そこで編集者と、マスコットとなる人物を加えようと相談し、女の子を登場させることになったのです。

グラニフ取材で対談する椎名高志と石川祐
2024年のグラニフ対談。左が椎名高志、右が石川祐/撮影:泉大悟。 出典

当時の相談は、連載が決まった際の急なものだったと椎名は振り返っています。
完成した漫画では当たり前に感じる三人組も、連載を始める準備の中で整えられた組み合わせでした。

最終回に取っておいたおキヌの復活を、先に描いた

おキヌが幽霊から人間へ戻る展開について、椎名は同じ取材で、もともと最終回に描こうとしていたと話しています。
ところが連載が進み、手持ちの着想を繰り返すことになりそうだと感じたとき、その展開を先に描くことにしました。
椎名は、一番面白いと思う話を今出し、その後の展開は描いてから考えようとしたのです。
描いている間は楽しかったものの、終わった後には、次をどうするか困ったといいます。

2024年のグラニフ商品に描かれた美神、横島、おキヌ
2024年のグラニフ商品。椎名高志の描き下ろしに、美神、横島、おキヌがそろいます/撮影:泉大悟。 出典

対談相手の石川祐も、三人の距離感や、おキヌが人間として学校へ通うようになった後の新しい関係を楽しんでいたと話しています。
おキヌを加える相談の後には、おキヌに関わる大きな話をいつ描くかという判断もありました。

まとめ

おキヌの誕生は、美神と横島の掛け合いをどう続けるかという、連載準備中の相談にさかのぼります。
石川が語った楽しさは、三人の関係に加えて、長い連載の中でその関係が変わっていくことにもありました。
おキヌは、二人の掛け合いに加えるために生まれ、椎名が最終回に取っておこうとした話の中心にもなった人物です。
誕生の相談と復活の前倒しを知ると、三人組を作る仕事と、その三人で話を広げていく仕事の両方が見えてきます。

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