綾峰欄人の絵からキャラクターが生まれる――長月観が語る共同制作

100の魔石の大賢者のネイル。帽子をかぶり、椅子に座っている。 漫画家・作者
『100の魔石の大賢者』のネイル。長月観の本人取材より。©長月観/SORAJIMA。

『100の魔石の大賢者』で綾峰欄人さんが描く人物の姿は、原作者・長月観さんが新しいキャラクターを考えるきっかけにもなっています。
主人公トーリの兄・ネイルは、以前の企画で綾峰さんが描いた脇役のデザインから生まれました。
長月さんの話を読むと、原作と絵の担当を分けた後にも、新しい発想が行き来していることが分かります。

脇役のデザインが、主人公の兄につながった

100の魔石の大賢者のネイル。帽子をかぶり、椅子に座っている。
『100の魔石の大賢者』のネイル。長月観の本人取材より。©長月観/SORAJIMA。 出典

長月さんは本人インタビューで、別の企画のネームに出てきた人物のデザインを気に入ったと話しています。
その人物を主人公が乗り越える壁にしたいと考え、ネイルというキャラクターを作りました。
姿を見てから、物語でどんな役割を与えたいかが膨らんだのです。

保護者の姿を見て、活躍が楽しみになった

綾峰欄人が描いたアンガスの全身・顔・衣装・武器の初期キャラクターデザイン
『100の魔石の大賢者』アンガスの初期キャラクターデザイン。©長月観・綾峰欄人/SORAJIMA。 出典

『100の魔石の大賢者』のアンガスの初期デザインには、髪形、衣装、武器まで描かれています。
長月さんは、アンガスをトーリとネイルの精神的な支えになる人物と説明しています。

100の魔石の大賢者のアンガス。桃色の髪と緑の上着を身につけたギルド長。
『100の魔石の大賢者』のアンガス。長月観の本人取材より。©長月観/SORAJIMA。 出典

長月さんは、保護者的な人物を初めてネームで見たとき、その姿で予定していた活躍をするなら素晴らしいと感じたそうです。
自分で考えた人物が絵になり、原作者自身も、その人物が動くところを楽しみにしていました。

原作者の案を、相談しながら育てる

眼鏡をかけた猫と鉛筆を描いた、綾峰欄人の紹介用イラスト。
綾峰欄人の紹介用イラスト。タテラボの関連記事欄より。 出典

綾峰さんの側にも、設定を受け取った後の提案があります。
綾峰さんの本人取材では、人物をどう描くかを編集者に提案し、長月さんへ伝えてもらって、三人で合意を取ると説明しています。
人物や場面の見せ方を線画や着彩の担当者へ伝える役割は、ネームを設計図と考える理由でも紹介しています。

長月さんは、初めて綾峰さんのネームを読み、自分の脚本は制作の起点なのだと感じたそうです。
自分の案にほかの作り手の工夫が加わり、作品が育っていくことへの信頼が生まれました。

まとめ

ネイルが生まれた経緯には、絵を見た原作者が、別の物語でも活躍させたい人物を見つける面白さがあります。
長月さんと綾峰さんの共同制作では、脚本から絵へ進む途中にも、人物の役割や見せ方を考えるやり取りが続いているのです。

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