真島ヒロさんは、『FAIRY TAIL』で声優から得たキャラクターの解釈を、その後の漫画に取り入れたと話しています。
ハッピーへの理解が深まっただけでなく、マカロフ役の辻親八さんとの交流をきっかけに、予定していた展開を変えたこともありました。
キャラクターへの理解、描く時に浮かぶ声、演じる人との交流が、漫画にどう関わったのかをたどります。

ハッピーの内面を、釘宮理恵から教えられた
ハッピー役の釘宮理恵さんから、最初に会ってすぐ「ハッピーって腹黒いキャラクターですよね?」と言われたことを、真島さんは2021年のインタビューで振り返っています。
作者自身も、その言葉を聞いて納得し、以後はそういう人物として動かそうと思ったそうです。

真島さんによると、大勢の人物を同時に描く作者に対し、一つの役を演じる声優は、その人物へ集中して向き合います。
そのため、自分では気づかなかった見方を教えられたと説明しています。
作者が描いたキャラクターを、演じる人が深く読み、その解釈を作者も漫画に生かしたのです。
ナツを描くと、柿原徹也の声が浮かぶ
人物の内面について教えられるだけでなく、描く時の感覚にも声優の存在が入り込んでいました。
2017年の劇場版についての取材で、真島さんは漫画を描いているとナツ役の柿原徹也さんの声が聞こえてくる時があると話しています。
台詞と声が、作者の中で結び付いていたのです。

2021年には、ネームを描く時に人物の声が頭に浮かび、台詞や動き方で悩むことが少なくなった気がすると説明しました。
アニメの声は、キャラクターらしい台詞や動きを考える助けになっていたのです。
音のない漫画を描いていても、声は人物を動かす手がかりになっていました。
マカロフの運命は、辻親八との交流で変わった
さらに大きな変化を、真島さんが2020年のインタビューで話しています。
マカロフは、当初は天狼島編で死ぬ予定でした。
その死によって作品を次の世代へ進めようと、以前から決めていたそうです。
ところが、該当するネームに取り掛かる頃、マカロフ役の辻親八さんとじっくり話す機会がありました。
真島さんは辻さんを好きになり、マカロフが死んだらアフレコや打ち上げで話せなくなると考えました。
それで、マカロフを殺さない方法を探し、結果として最後まで生き残ることになったと説明しています。

ハッピーの場合は、声優の人物理解が漫画での描き方に影響しました。
マカロフの場合は、演じる人とこれからも会いたいという気持ちが、人物の運命にまで関わったのです。
描きながら人物や世界を育てていった『FAIRY TAIL』には、作者と声優の関係から生まれた変更もありました。
『EDENS ZERO』でも、描いている時に声が聞こえる
『EDENS ZERO』でも、声と漫画のつながりを話しています。
2022年の本人インタビューでは、漫画を描いていると、シキ、レベッカ、ワイズの声が自然に聞こえてくることがあると説明しました。
その感覚を、描いていて心地よいと話しています。

好きなキャラクターであるピーノについても、井澤詩織さんの演技がイメージ通りで満足したと語りました。
まとめ
自分が生んだ人物について、演じる人から新しい見方を教えられる。
真島さんの話には、作者が声優との仕事を通じて、キャラクターへの理解を深めていく面白さがあります。
その理解が次の漫画に生き、マカロフでは、辻さんと話し続けたいという思いから運命も考え直しました。
人物を作った後も、演じる人との出会いが、漫画を描くための新しい手がかりになっていたのです。


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