『AREA-D』の制作秘話|七月鏡一が連載開始までに経験したこと

原作七月鏡一・作画梁慶一のAREA D異能領域第1巻表紙 七月鏡一
『AREA D 異能領域』第1巻の表紙/原作・七月鏡一、作画・梁慶一、小学館。

『AREA-D 異能領域』は、七月鏡一さんが企画を立ち上げてから、約1年の準備を経て始まった漫画です。
企画を考えてから第1話の原稿を書くまでの間に、七月さんは東日本大震災を経験しました。
七月さんは、震災後の不安の中で第1話を書き、その体験が作品に影響したと語っています。

原作七月鏡一・作画梁慶一のAREA D異能領域第1巻表紙
『AREA D 異能領域』第1巻の表紙/原作・七月鏡一、作画・梁慶一、小学館。 出典

6年ぶりの少年サンデー、初連載から20年目

七月さんが『AREA-D』を始めたのは、少年サンデーで初めて連載した『ジーザス』から20年目でした。
『ジーザス』では藤原芳秀さんと組み、『ARMS』では皆川亮二さんに原案協力として参加した原作者です。
『AREA-D』では、『新暗行御史』や『DEFENSE DEVIL』の梁慶一さんを作画に迎えました。

JESUS第1巻の表紙にある原作七月鏡一と作画藤原芳秀の名前
七月鏡一の初連載『JESUS』第1巻/原作・七月鏡一、作画・藤原芳秀、小学館。 出典

少年サンデーで直前に手がけた仕事は、2006年の『D-LIVE!!』への脚本参加でした。
そこから6年ぶりに、同誌で新しい連載を始めたことになります。
この間には藤原さんとの『JESUS砂塵航路』などを手がけていました。

第1話の原作原稿は、第5稿が決定稿になった

七月さんは、パソコンに残っていたファイルの更新日をたどって、制作の時間を振り返っています。
企画と設定を最初に書いたファイルは、2011年2月のもの。
第1話の第1稿は4月末で、決定稿になった第5稿は6月でした。

七月さんは、最初の一話を決めるまでに、さらに原稿を重ねていました。

MANZEMIの講師紹介に掲載された漫画原作者七月鏡一の写真
七月鏡一/MANZEMIの講師紹介写真。 出典

第1話を書いたのは、震災後の不安の中だった

七月さんが企画を考えた後、第1稿を書き上げる前に、2011年3月11日の東日本大震災が起きました。
七月さんは、仕事場の本が崩れ、東北の友人を案じ、買い物に出ると食品がなくなっていた当時を振り返りました。
これからどうなるのか分からない不安の中で、第1話を書いたと語っています。

2012年3月14日の本人メッセージで七月さんは、地震や原発が漫画に出てくるわけではないとしながら、震災を経験して思い、考え、抱えたことを『AREA-D』に込めたと説明しました。
災害をそのまま作中に描くこととは違う形で、作者の体験が物語に入っていました。

囚われた異能者たちの物語として始まった

『AREA-D』が連載を開始したのは、2012年3月14日発売の少年サンデー15号です。
企画から約1年を経た漫画は、特殊な力を持つ人々が刑務所へ送られる物語として、読者の前に現れました。

AREA D異能領域の新連載を表紙で知らせる週刊少年サンデー2012年15号
『AREA D 異能領域』が連載開始した週刊少年サンデー2012年15号/小学館。 出典

作中では、特殊な能力に目覚めた人々が「アルタード」と呼ばれます。
廃墟となった港に集められた囚人たちは、謎の孤島刑務所「アイランドD」へ移送されていきます。
作品は、囚人たちの戦いと、彼らを危険な存在として隔離する管理社会を描いています。

まとめ

震災をそのまま描いた漫画ではなくても、七月さんはその経験を作品に込めたと語っています。
その回想を知ると、囚人たちの力や戦いを読むとき、彼らを危険とみなす社会の姿も気になります。
新連載の第1話は、設定を考えた後、現実の不安を経験した原作者が書いた物語の入口でした。

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