『スプリガン』では、原作をたかしげ宙さん、作画を皆川亮二さんが担当しています。
皆川さんは、絵を描くだけでなく、物語へ取り入れたい題材も提案していました。
人物の基本設定を考えたのはたかしげさんで、その人物を肉付けしたのが皆川さんです。
二人のやり取りは、連載の途中で変わっています。
初めは、たかしげさんが書いた原作を、編集者が確認して皆川さんへ渡していました。
二人が直接話すようになってからは、皆川さんの要望もたかしげさんへ届くようになりました。

編集者を通した受け渡しから、二人の直接のやり取りへ
連載開始当初、二人にはまだ面識がありませんでした。
皆川さんが作画に起用された経緯には、原稿を持ち込んだたかしげさんと、新人の皆川さんを担当編集者が結び付けた流れがあります。
たかしげさんは2023年の二人の対談で、最初は自分の書いたものを担当がチェックし、皆川さんに回していたと説明しています。
やがて二人が会って親しくなると、皆川さんから直接、やりたいことの提案や要求が来るようになりました。
たかしげさんは、その要望を受けながら作品を進めていったと振り返っています。
二人が会うようになってから仕事は次第にうまくいき、「狂戦士(バーサーカー)の章」の頃にはスムーズになった、というのがたかしげさんの回想です。
たかしげさんが書いたものを受け渡すところから、二人が直接、内容を相談する関係へ変わっていったのです。
皆川亮二が持ち込んだ「学歴社会」の話題
皆川さんが原作へ提案していたことを示すのが、社会的な題材の話です。
たかしげさんは、当時の世相や社会情勢を入れようと言ってきたのは皆川さんだったと語っています。
皆川さんは当時、『朝まで生テレビ』などを見ながら、世の中に対して怒っていたのだろうと振り返りました。
たかしげさんが覚えていた具体的な提案は、学歴社会を取り入れようというものです。
皆川さんの申し出を受け、たかしげさんは、どう描くかを考えました。

後年の対談で、皆川さんは当時の自分を恥ずかしく感じるとも話しています。
たかしげさんは、求められて書いたものもよくできたと思っていた、と応じました。
作画家が取り上げたい問題を伝え、原作者が物語へ組み込むという、二人の関わり方が伝わるやり取りです。
人物の基本をたかしげ宙が考え、皆川亮二が肉付けした
人物作りについても、二人は分担を説明しています。
対談の人物造形の話で、たかしげさんは基本を自分が考え、肉付けは皆川さんがしてくれたと語りました。

皆川さんは、当初は漫画の人物の作り方もよく分からず、自分の好きな漫画の人物を思い浮かべながら描いていたそうです。
特に望月三起也さんが好きで、望月作品に登場するような格好いい人物を描こうとしていました。
たかしげさんも、人物のイメージとして望月さんの作品を考えていたと話しています。

皆川さんは、人物が増えていく中で、さらに欲しい人物のタイプも出てきたと振り返っています。
原作者が基本設定を用意し、作画家が人物を具体的に描く。
その過程から、作品に加えたい人物も生まれていったのです。
まとめ
『スプリガン』の共同制作は、たかしげさんが用意した原作に、皆川さんの関心や人物のイメージが加わる形で進んでいました。
原作と作画という二人の担当を知ると、物語に広がりを与えた発想が、作画の側からも届いていたことが見えてきます。

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