木蓮と亜梨子は別人格|日渡早紀が語る『ぼく地球』の転生設定

長い金髪の女性と黒髪の男性を描いた『ぼくの地球を守って』のカラー図版。 日渡早紀
2014年の本人取材に添えられた『ぼくの地球を守って』のカラー図版/日渡早紀、白泉社。

『ぼくの地球を守って』の木蓮と、木蓮の生まれ変わりである亜梨子は、別の人格として設定されています。
日渡早紀さん自身が、2022年のインタビューで明言したことです。
前世があることと、前世の人物と同じ人格であることは、ここでは分けられています。

日渡さんは、2014年の取材では、怖い子どもを描き、その子を救う存在として亜梨子を考える中で、前世の設定が深まったとも振り返っています。

長い金髪の女性と黒髪の男性を描いた『ぼくの地球を守って』のカラー図版。
2014年の本人取材に添えられた『ぼくの地球を守って』のカラー図版/日渡早紀、白泉社。 出典

木蓮と亜梨子を、作者は別人格としている

日渡さんは2022年のインタビューで、『ぼく地球』では前世と転生後の人格が異なると説明しています。
その例として挙げたのが、前世の木蓮と、転生後の亜梨子でした。

長い髪の女性と少年を、上下反対の向きに配した原作図版。
転生設定を語る取材に添えられた『ぼくの地球を守って』の図版/日渡早紀、白泉社。 出典

日渡さんは、同じ人格にしたほうが考えやすく、読む人にも分かりやすいかもしれないと話しています。
『ぼく地球』で選んだのは、転生前後を別の人格として描く形でした。
自分が選んだこの設定を説明しながら、日渡さんは、熱心に読み、読み継いでくれた読者への感謝も述べています。

怖い子どもを救う存在として、亜梨子が生まれた

前世という設定が深まった経緯については、2014年の取材で、もう少し具体的に話しています。

日渡さんは、前の連載『アクマくん 魔法★BITTER』で疲れていたため、次は自分を癒すようなものを描こうとしたそうです。
好きなものを盛り込み、気持ちも楽になるのではないかと考えたといいます。
ところが、面白くしようとすると、サスペンスの方向へ進んでいきます。

日渡さんは、まず怖い子どもを描きたかったと語っています。
その子をどう救うかと考えて、亜梨子という存在ができた。
子どもがひどいことをしても許されるよう、その行動を前世と結び付ける発想から、転生の設定が深まっていったと説明しました。

包帯を巻いた輪が、母に怖いと訴えて泣く原作の場面。
輪が母に怖いと訴える場面/『ぼくの地球を守って』日渡早紀、白泉社。 出典

日渡さんは、面白いものにしたい自分と、穏やかなものを描きたい自分がぶつかりながら作った作品だったのではないかと振り返っています。
転生の設定は、描きたい人物と、その人物をどう救うかを考える中で広がっていったのです。

まとめ

日渡さんが語った転生の設定は、前世の人格がそのまま続く形ではありません。
前世に木蓮がいて、転生後には亜梨子という別の人格がある。
この区別を知っておくと、前世の記憶と、いまの人物自身の気持ちを分けて読めます。

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