OVA版『エリア88』の制作時、新谷かおるさんは、鳥海永行監督に薬莢をたくさん散らしてほしいと頼んだそうです。
戦車の上を薬莢が転がっていく、具体的な動きを思い描いていました。
そのお手本は、新谷さんが気に入っていた別のOVA『ダロス』でした。

『ダロス』で好きになった薬莢の動き
新谷さんがこの頼みごとを明かしたのは、2026年4月26日の上映会でした。
新谷さんは、『ダロス』で薬莢がばらばらと流れていく描写を気に入っていたと振り返っています。
薬莢とは、弾を撃ったあとに残る金属製の筒です。
『エリア88』では、冒頭で主人公・風間真が戦車と戦う場面に、その動きを取り入れてほしかったそうです。
戦車の上を、たくさんの薬莢が転がっていく。
新谷さんが監督に求めたのは、そんな一瞬の描写でした。

ところが、完成した映像は思い描いたものとは少し違っていたといいます。
新谷さんは、鳥海監督の演出を称賛しながら、当時のイメージとの違いも笑い交じりに話していました。
30年ぶりに、劇場で自分の作品と再会する
スタジオぴえろの作品紹介によると、OVA『エリア88』は1985年から1986年にかけて、全3作が発売されました。
2026年の上映会では、第1作と第2作を再編集した劇場版と、第3作『燃える蜃気楼』が上映されています。

新谷さんは、自分の作品を劇場で観るのは30年ぶりだと話しました。
当時もらったビデオテープやLDは残っていても、再生する機器がなくなっていたそうです。

風間真を演じた塩沢兼人さんや、マッコイを演じた家弓家正さんなど、出演した声優にはすでに亡くなった人もいました。
新谷さんは、涙が浮かぶような場面もあったと振り返っています。
まとめ
薬莢の動きは、新谷さんが映像化に期待したことの一つでした。
一つの演出に心を引かれ、自分の作品でも見てみたいと監督に頼む。
その具体的な頼みごとからは、映像を楽しむ一人の観客でもある新谷さんの姿が見えてきます。


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