岡野剛が新アニメ『ぬ~べ~』に望んだこと|第1話と玉藻への二つの要望

赤く光る鬼の手を前に構えるぬ~べ~。2025年版アニメの場面。 岡野剛
TVアニメ『地獄先生ぬ~べ~』(2025年版)/©真倉翔・岡野剛/集英社・童守小学校卒業生一同。

岡野剛さんは、2025年に始まった新アニメ『地獄先生ぬ~べ~』に、連載版の第1話から始めることと、玉藻を初めから医師の設定にすることを要望しました。
完成した映像では、生徒たちの可愛らしさと、自分の予想を超える動きを喜んでいます。
長く描いてきた漫画を、新しいアニメでどう見せてほしかったのか。
本人の話から、その希望と感想をたどります。

初回は、平成版と違う始まり方に

岡野さんが二つの要望を語ったのは、2025年8月の真倉翔さんとのインタビューです。
岡野さんによると、平成版アニメの第1話は、連載前に発表した読切版をもとにしていました。
岡野さんは、新しくアニメを作る機会には、前回と違う始まり方が良いと考えました。
そこで、今回は連載版の第1話を初回にしてほしいと伝えました。

ぬ~べ~と教室に集まった生徒たちを描いた第1話のカラー見開き扉
『地獄先生ぬ~べ~』連載第1話の冒頭。『週刊少年ジャンプ』1993年38号/原作:真倉翔、漫画:岡野剛、集英社。 出典

2025年版の公式第1話の紹介に掲げられているのは、「九十九の足の蟲」です。
新任教師のぬ~べ~が、怒りを抑えられなくなった広の背後に妖怪の存在を察する話から、新しいシリーズが始まりました。
岡野さんの要望は、もう一度映像化するなら、冒頭から平成版との違いを作ろうというものでした。

玉藻は、初めから医師の設定にしてほしい

もう一つの要望には、限られた放送期間をどう使うかという事情がありました。
岡野さんは、玉藻を初めから医師の設定にしてほしいと伝えた理由について、原作通りの経緯を描くと長くなり、今回の放送期間では終わらないためだと説明しています。

長い金髪の玉藻が構える場面。2025年版アニメ。
2025年版アニメの玉藻/©真倉翔・岡野剛/集英社・童守小学校卒業生一同。 出典

同じ取材では、真倉さんも、原作で後に固まった性格を最初から出してほしいと頼んだことを話しています。
美樹の場合、キャラクターがはっきりする「ろくろ首」の話まで順番に進めると時間がかかるため、新アニメでは序盤へ持ってきたといいます。
長い連載の中で変わってきた人物を、アニメの短い期間でどう見せるか。
二人は、話を並べる順番や、人物の出発点について希望を伝えていました。

完成した映像は、岡野剛にも新鮮だった

映像の仕上がりについては、二人ともアニメスタッフを頼りにしていました。
岡野さんは、脚本や絵コンテだけでは、出来上がる映像がよく分からないと話しています。
真倉さんも、完成した本編を見て初めて、制作段階で見せてもらったものがどう形になるのかを知ると説明しています。

作品の掲載誌と単行本を手にする真倉翔さん(左)と岡野剛さん(右)。2025年公開取材。
真倉翔さん(左)と岡野剛さん(右)。2025年公開インタビューより/webムー。 出典

別のインタビューで、岡野さんが気に入っていると挙げたのは、生徒たちの可愛らしい描かれ方でした。
動かないだろうと考えていたものまで見事に動いていることにも驚いています。
静止した絵を描いてきた作者が、アニメになった見慣れた人物たちに驚く楽しみもあったのです。

ぬ~べ~の周りに集まる郷子、克也、広、美樹たち。2025年版アニメの場面。
2025年版アニメのぬ~べ~と生徒たち/©真倉翔・岡野剛/集英社・童守小学校卒業生一同。 出典

同じ場で、脚本と絵コンテをすべて見ていると説明したのは真倉さんです。
岡野さんは、真倉さんがほぼ毎回アフレコへ行っていることも紹介しています。
真倉さんが舞台を令和にする提案をしたことと、岡野さんが初回や玉藻について出した要望を合わせると、二人が違う部分から新アニメへ希望を伝えていたことが分かります。

まとめ

岡野さんは、平成版とは違う始まり方を求め、長い原作を限られた放送期間へ収めるための設定変更も提案しました。
映像が出来上がると、人物の動きや可愛らしい描かれ方を新鮮に楽しんでいました。
長年描き続けてきた作者にも、完成したアニメを見て初めて出会える『ぬ~べ~』があったのです。

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